フランコ・コラピントは、F1 2025年シーズンの後半戦で「明らかに良くなった」と感じていた一方、最後の数戦が気持ちを沈ませたと認めた。モチベーションを見いだすのが難しい瞬間もあったという。
アルピーヌは2025年の第7戦以降、ジャック・ドゥーハンに代えてコラピントを起用した。しかし当初、2026年以降の残留へ向けて状況は厳しく見えた。マシン自体の競争力も十分ではなく、コラピントは安定して性能を引き出せなかった。
最大の比較対象となったのはピエール・ガスリーだった。コラピントは多くの局面でフランス人チームメイトに届かず、苦戦の理由としてフロントウイング規則変更の影響を挙げた。リズムだけでなく、マシン側の挙動も崩れたという。ただ、シーズンが進むにつれ、徐々にペースをつかみ始めた。
後半戦、コラピントは確かな手応えを得ていた。ガスリーとの差も縮まり、手の内に入ってきた感覚があった。だが終盤2週末が、再び流れを断ち切った。
「夏休み明けが、たぶんクルマに対していちばん強い手応えを感じていた時期だった。でもブラジルの後、スプリントレースの後あたりから、クルマの中で自分が快適にいられる状態を作るのがかなり難しくなった。理由ははっきり分からないけど、そこでまた苦しみ始めて、クルマに自信を持てなくなっていった」
それでも、チームとの積み重ねには価値があったと語る。理解が深まり、前進できている実感があったからだ。
「チームとは本当にうまく仕事ができたと思う。夏休み以降はもっと良くなって、それがいちばん嬉しかった。クルマの新しいことを見つけて、理解を深められている感覚があった。もちろん年の最後の部分は、いつだって難しくなる。でも来年は良くなると思っているし、僕たちは懸命にやって、いくつかのことを理解して、乗り越え方も見つけようとしてきた。それが僕にとっていちばん大事な部分で、僕自身もどんどん良くなっていると感じている」
「最高の感触で終われなかったのは、もちろん望んでいたことじゃない。でもF1ではそういうものだ。来年に向けて学ぶことがたくさんあるし、それはすごく良いことだ」
終盤の不調をさらに掘り下げると、コラピントは“中間的な性質のコーナー”での苦しさを説明した。高速でも低速でもない、複合的に横Gをかけながらコーナーをつないでいく場面だ。アルピーヌでの序盤にも直面した問題で、しばらく消えていたが、最後の数戦で再発したという。
「クルマの感触で、もう少し苦しんだ。いくつかのコーナーで同じようにプッシュできなかった。超高速というより、いろいろ組み合わせて走るコーナーで、横方向の負荷をたくさん重ねていくようなところだ。クルマがそこに“留まってくれない”感覚がある。前はもっと強く感じていたし、年の初めに苦しんだ部分でもある。その後はずっと良くなったのに、終盤に入ってまた苦しくなった。上がったり下がったりで、良い時と悪い時があった。そういうものだし、学ぶべきことだ。なぜそうなるのか理解しないといけない。でも短い時間で理解するのは少し厄介だ。シミュレーターに戻って走り込む時間も多くないし、これをやったらどうなる、あれをやったらどうなる、という検証が十分にできない。すごく分かりやすい状況ならまだしも、そうじゃないと難しい。でも学ぶことはあるし、来年に向けて良い経験になったと思う」
そしてコラピントは、最下位争いに近い位置で戦うレースが続くと、気持ちを保つこと自体が難しくなる瞬間があったと率直に認めた。それでも、最後まであきらめず押し続けたチームの姿勢には救われたという。視線はすでに2026年へ向いている。
「うまくいっていない時は、がっかりするし、モチベーションを保つのが難しい時もある。でも正直、チームが最後までプッシュし続けてくれたことはすごく嬉しい。僕たちはベストを尽くしたけど、単純にペースがなかった。クルマを最大限にまとめられても、僕たちは大きく離されていた。だからファクトリーに戻って、来年に向けて準備する。来年はもっと良い年になるはずだ」
「僕たちは今年の初めから、来年を楽しみにしていた。そして今、それが現実に近づいている。良いニュースだ。今は簡単な終わり方じゃないけど、僕たちにはチャンスがたくさんある」
