ランス・ストロールは来季、勝てるマシン、さらにはタイトルを狙えるアストンマーティンに座る可能性がある。だが元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは、ストロールの態度にある無関心さが、その好機を台無しにしかねないと警告した。
今季のアストンマーティンはランキング7位にとどまった。だが、2026年はタイトル争いに加わると広く目されている。その可能性は明確だ。パワーユニットはホンダになり、そして伝説のデザイナー、エイドリアン・ニューウェイがマシンを描く。
ニューウェイはこれまでに計26のタイトル獲得マシンを世に送り出してきた。2026年の新時代では、アクティブエアロを軸に、かつてより軽い車体が求められる。その中心にニューウェイがいる。
ホンダは直近5年で4度ドライバーズタイトルを獲り、フェルナンド・アロンソは世界王者2回の実績を持つ。ニューウェイもいる。では弱点はどこか。ダナーはストロールだと指摘した。
ストロールはF1で193戦を走り、表彰台は3回(2017年ウィリアムズで1回、2020年レーシングポイントで2回)。しかし優勝はまだない。ダナーは、そもそもストロールにF1への喜びがあるのかを疑った。
「彼をそこまで叩いて、“F1にいる資格がない”とまで言うつもりはない。ただ、ランス・ストロールには、やっていることへの喜びの火花がまったくない。だからいつも不機嫌で、やる気が薄くて、陰気に見える。それが腹立たしいんだ。この無関心は、あまりにも場違いだ。普通の環境なら、彼を放り出す理由はいくらでもあった。だがアストンマーティンは、普通のチーム環境じゃない」
一方で、アストンマーティンの新たな“設計の旗頭”ニューウェイは、外から見える以上の価値をストロールはチームにもたらしていると主張する。
「ランスは、不当に悪く言われすぎていると思う。彼が戦ってきたチームメイト──チェコ(セルジオ・ペレス)、ニコ・ヒュルケンベルグ、セバスチャン、そして今はフェルナンド──と比べても、彼はちゃんと同じ土俵にいた。F1に来るドライバーは全員、明らかに優れている。だがランスは、人々が思っているよりずっと良い」
