ホンダが2026年からワークス供給を行うアストンマーティンについて、「非常に競争力の高いパッケージになる」と強い自信を示した。ホンダとアストンの新体制に向けた期待値が一段と高まっている。
ホンダ(HRC)の渡辺康治社長は、2026年から導入される新レギュレーションに伴う技術的難題に触れつつも、「これらのチャレンジをうまく乗り越えられると確信している。ホンダは1964年からF1で経験を積み重ねてきた。アストンマーティン・アラムコと一つのチームとして取り組めば、新時代のF1でも非常に競争力のある存在になれる」と強調した。
2026年のパワーユニット規定では、内燃エンジンと電動システムの出力比が「50:50」となり、MGU-H廃止や電動出力の大幅増強など、メーカーにとってはリセットに近い変化が課される。ホンダはすでに試験を完了し、新PUのサウンドを公開するなど開発の進捗をアピールしている。渡辺氏は、持続可能燃料の採用を含め「ホンダの企業理念と合致したプロジェクトだ」とも語り、短期的な参戦ではなく、タイトル獲得を見据えている姿勢をにじませた。
ホンダ側がここまで明確に「非常に競争力がある」と言い切るのは珍しいと受け止められている。期待値が先行すれば批判も跳ね返ってくるが、それでもなお強気な言葉を選んだ背景には、自らの開発ペースと、アストン側の投資水準への手応えがあるということだろうか。2026年のグリッドで、ホンダ×アストンの緑のマシンがどの位置に現れるのか。2026年の勢力図争いは始まっている。
