ピエール・ガスリーは、2025年型アルピーヌF1マシンについて、冗談交じりに「視界から遠ざけてほしい」と語った。2025年シーズンを通じて獲得したポイントはわずか22点。2018年以降のF1キャリアで最悪の成績となった。これまでのワーストは、アルファタウリ時代最後の2022年に記録した23ポイントだった。
アルピーヌA525はシーズン序盤から苦戦を強いられ、ガスリーにとっても厳しい一年となった。
「ああ、来年は僕の目に入らないところに置いてくれって言ったよ。エンストンの片隅にでも置いておけばいい。正直、ドライブの優しいクルマじゃなかった。いくつかのレースでは、もう少しポイントを取れたはずだと思っている。アップデートをもう一度入れていれば状況は違ったかもしれない。でも、仮にやっていたとしても大きくポイントが増えたとは思わない。
9月の何レースかでは、後から振り返って、性能が十分に出ていないフロアで走っていたことが分かった。モンツァ(16位)、バクー(18位)、シンガポール(19位)は、チームとしてもう少しうまくやれたと思う。
チャンスがあったときは、僕たちはそれを結果につなげてきた。中国では失格があって、フェラーリのダブル失格もあった。あそこで1点か2点は取れたかもしれない。30ポイント取る方法はいくらでも思いつく。でもそれは他のチームも同じだ。大事なのは、必要なときにきちんと結果を出せたかどうかだ」
ガスリーは、自身の目標がより高いところにあることも隠さない。
「僕が本当に気にしているのは、チームのためにベストを尽くせているかどうかだ。F1で僕はもっと大きなことを成し遂げたい。9位よりも6位、5位、4位で終われた方がいいのは当然だ。開発を2、3カ月延ばして8位や9位を狙っていたら、僕はもっと苛立っていたと思う。それで来年に悪影響が出るなら意味がない。正直、かなり厳しい8カ月だったし、楽しくはなかった。でも、これはより良い未来のためだと思っている」
シーズンを通じて、チームのコミュニケーションと理解度が大きく向上したことも、ガスリーに自信を与えている。
「何を改善すべきか、何が強みなのか、その理解が深まった。性能が足りないからこそ、細かい部分まで深く掘り下げることができた。マッピング、セットアップ、ファクトリーでの作業、デブリーフの深さ。チームとやった仕事としては最高だった。Q1では7~8台が僅差だった。僕たちは極端に遅れていたわけじゃない。ただミッドフィールドの悪い側にいただけだ。もしクルマをいい位置に持っていければ、正しいプロセスはすでに整っている。だからこそ、来年には大きな自信を持っている」
苦闘の2025年。その経験は、ガスリーとアルピーヌにとって、次なる飛躍のための土台となりつつある。
