レッドブル内部の権力闘争は、当事者の一人がチームを去ったあとも尾を引いている。長年モータースポーツアドバイザーを務めたヘルムート・マルコが、インタビューで、クリスチャン・ホーナー前代表の更迭時期に踏み込んだ発言を行った。
マルコは、2025年のタイトル争いを振り返る中で、次のように語った。
「クリスチャン・ホーナーの更迭がもっと早ければ、フェルスタッペンは2025年タイトルを取れていたかもしれない」。
ホーナーの去就をめぐりチーム内が揺れた時期が、結果的にマックス・フェルスタッペンのシーズン全体に悪影響を及ぼしたという一言だった。
このコメントは、後付けの分析という枠を超え、レッドブル内部の意思決定やチーム運営そのものに矛先を向けたものとして受け止められている。タイトルを逃した理由をマシンやドライバーではなく、マネジメントの混乱とホーナー体制に求めた格好となる。
この挑発的な一言が再び浮き彫りにしたのは、ホーナー更迭とマルコ退任という一連の人事が、単なる世代交代ではなく、チーム権力構造の激変だったということだ。フェルスタッペンの将来、2026年の新レギュレーションへの準備を進めるレッドブルにとって、かつての内部抗争の名残をどう封じ込めるかは、依然として話題になっている。
