FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)は10日、ウズベキスタン・タシケントで開かれた会合で、2026年以降のF1スポーティングレギュレーションの一部改定を承認した。最大のポイントは、スプリント週末に唯一行われるフリー走行(FP1)が赤旗中断を受けた場合、レースディレクターの裁量でセッション延長を認める新ルールだ。2025年マイアミやオースティンのように、赤旗により実質走行時間が削られる不満に応える内容であり、45分未満で中断された場合に最大60分まで走行を補填できると報じられている。
この他に、スプリント予選ではウェット宣言が出てもドライタイヤ使用制限(SQ1 / SQ2にミディアム使用義務、SQ3にソフト使用義務)を解除しない方針が明文化され、スプリント予選が一瞬“ウェット宣言”になっただけで、コンパウンド選択戦略がリセットされてしまうという穴が塞がれた。
また2026年暫定で、各チーム現場のオペレーション要員上限は58人から60人へ緩和され、新世代マシン運用の負荷に対応する。さらに、レース中断と再開手順の簡素化、2027年以降はプレシーズンテストを再び1回に集約することも決まった。アウト・オブ・コンペティションでのタイヤテスト用車両規定や、アクティブエアロに関わるドライバー調整式ボディワークの使用条件も、2026年技術規則との整合性を取る形で細部が詰められている。
