ウズベキスタンの首都タシュケントで12月12日に行われたFIAプライズ・ガラ2025は、会場のフーモ・アリーナに2,500人のモータースポーツファンが集結し、FIA会長モハメド・ビン・スライエムとウズベキスタンのアブドゥラ・アリポフ首相が見守る中、FIA世界選手権各カテゴリーの王者たちが次々と表彰台に呼ばれた。
FIA F1世界選手権では、新たなワールドチャンピオンとしてランド・ノリスの名前が刻まれた。幼いころからF1ワールドチャンピオンになるという夢を抱き続けてきたノリスは、2025年シーズンを通じて安定した速さと強さを示し、その“少年時代の夢”を現実のものにした。

マクラーレンも、2025年のF1を象徴する存在となった。コンストラクターズ選手権はシンガポールGPの時点でライバル勢を大きく突き放し、チーム史上2度目となるコンストラクターズタイトルをスタイル抜群の形で確定させた。ガラの舞台には、マクラーレンCEOのザク・ブラウンとチーム代表アンドレア・ステラが登壇し、堂々と王者チームのトロフィーを掲げた。
表彰式の冒頭、FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、F1を含む世界選手権の王者たちに向けてこう語った。
「ここタシュケントで、モータースポーツの中心で支えてくれているファミリーの献身と情熱を讃えた。これからチャンピオンになっていく若い世代、歩み始めたばかりの選手たちの未来も見据える場になった。栄冠を手にしたすべての受賞者に心からお祝いを伝えたい。一緒に祝えることを光栄に思う。」
F1に深く根ざした伝説の名前も、この夜は特別な形で称えられた。FIA会長特別イノベーション賞は、フェラーリ創設者エンツォ・フェラーリに贈られた。レースを速くするだけでなく、自動車産業と社会全体を前進させてきた功績が評価されたものだ。壇上には息子でありフェラーリ副会長のピエロ・フェラーリが登場してトロフィーを受け取り、シャルル・ルクレールもウズベキスタンまで駆けつけた。
ファン投票によって選ばれる「FIAアクション・オブ・ザ・イヤー」でも、F1のスーパースターが脚光を浴びた。2025年F1部門の栄冠を手にしたのは、マックス・フェルスタッペンのエミリア・ロマーニャGP1周目のオーバーテイクだった。オープニングラップからマクラーレンを抜き去ったシーンが、数々のハイライトの中から今年最高のひとコマとして選ばれた。
また、将来のF1スターを占う指標とも言える「FIAルーキー・オブ・ザ・イヤー」は、F3王者の ラファエル・カマラが選ばれた。会場では過去の受賞者が紹介され、ダニエル・クビアト、アレクサンダー・アルボン、マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、角田裕毅、オスカー・ピアストリ、ガブリエル・ボルトレートら、現在のF1グリッドを彩る名前が並んだ。

