モハメド・ベン・スライエムが、2025年からの2期目となるFIA会長に正式に選出された。タシュケントで行われた自動車連盟(FIA)のWMSC世界モータースポーツ評議会において、対立候補のいないまま選出が確定した形だ。
2021年12月にジャン・トッドの後任として就任して以降、スライエムの任期は決して静穏とは言えなかった。2021年のF1タイトル争いの後始末に始まり、その後も複数の判断が世間の批判にさらされてきた。
FIA内部では、主要スタッフの離脱が続き、“強権的”との声もささやかれてきた。しかし、こうした混乱も彼の再選を阻む力にはならなかった。2025年の選挙には、結果的に誰一人として対立候補が現れなかった。
規約の小さな改定が複数の立候補予定者の道を閉ざし、中でも大きかったのはティム・メイヤーの出馬が阻まれた点だ。彼が率いる「FIAフォワード」は、別候補ローラ・ヴィラールを支援しつつ、2025年会長選が不当であるとしてスライエムの地位を法的に争っている。裁判所は選挙の実施自体は認め、タシュケントで予定通り金曜日に投票が行われた。そしてスライエムが勝利し、2025年からの2期目が確定した。裁判所は、選挙を止めるには事案があまりに複雑すぎると判断した。
ただし、法廷闘争は今後も続く見込みだ。その一方で、スライエムは再選を果たした。
「多くのFIAメンバーが投票し、再び私に信頼を寄せてくれたことに感謝する。私たちは数々の障害を乗り越えてきたが、今日ここに立つ僕たちは、これまで以上に強い存在だ。」
「FIA会長を務めることは本当に名誉だ。私はこれからもFIAのため、モータースポーツのため、モビリティのため、そして世界中の加盟クラブのために尽力し続けるつもりだ。」
FIAは、今回の選挙が健全で透明性の高いプロセスで行われたと強調し、その民主的基盤を改めて示した。
