レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、2026年シーズンを待たずにチームを離脱する方向で調整に入っていると、複数の欧州メディアが報じている。本社首脳との会合を経ての動きとされ、チーム内のパワーバランスに変化が生じるとの見方が広がっている。
マルコは長年にわたり若手育成プログラムを統括し、ベッテルやフェルスタッペンなど多くのF1ドライバーを発掘・抜擢してきた。その強い発言力と決断はしばしば物議も醸したが、レッドブル躍進の原動力の一要素であったといわれる。
一方で近年は、チーム運営を巡って社内の権限構造を見直す動きが強まっていた。新オーナー体制の下、意思決定を個人ではなく組織に分散させる方針が示される中で、マルコの役割と影響力をどう位置づけるかが課題になっていた。
彼の離脱は、とりわけジュニアドライバーの選考と昇格基準に影響すると見られる。レッドブルで長らく話題となり続けた「結果を出せば即昇格、出せなければ即降格」という苛烈な方針が改められるのか、どういった変化が起きるかは不透明だ。現時点でレッドブル側から正式な発表はなく、後任や時期も明らかになっていない。2026年にはレギュレーション変更が控えており、その前に影のキーマンが去ることになれば、チームの競争力と若手起用の哲学がどう変わるのかが注目される。
