アブダビGPのタイトル決戦で起きた角田裕毅とランド・ノリスの攻防が、レース後も大きな波紋を広げた。優勝こそマックス・フェルスタッペンだったが、3位に入ったノリスがドライバーズタイトルを獲得し、その裏で角田の走りが問われる形となった。
レース中盤、ピットストップ後のノリスの前に角田が立ちはだかった。レッドブルは角田に対し、タイトルを争うノリスの前進を難しくするよう無線で指示していたと報じられている。その結果、メインストレートでのディフェンスの際にノリスの逃げ場がなくなり、マクラーレンのマシンはコース外からオーバーテイクする形になった。スチュワードは角田に5秒加算ペナルティを科し、さらにレース後にはライセンスに1ポイントを追加。角田の累積ペナルティポイントは8点となり、12点による出場停止まで残り4点という状況だ。
FIAは「複数回のライン変更により相手に回避行動を強いた」として角田の責任を明確化する一方、コース外で抜いたノリスにはペナルティを出さなかった。この判断については、複数の欧州メディアが「タイトルを左右しかねない微妙な裁定だった」として詳細な解説記事を掲載している。
こうした流れの中で注目を集めたのが、元レッドブルのセルジオ・ペレスの“参戦”だ。ペレスは、フェルスタッペンのタイトル争いを援護したペレス(21年)と角田(25年)を揶揄するミーム投稿~
21年にはハミルトンに対して巧みなブロックを繰り返し援護が大きく功を奏したペレスに対して、今年ノリスを抑えに回ったもののコース外からオーバーテイクされペナルティを被った角田。これについてレッドブルが懺悔の念をにじませる発言を発している「I treated you too harshly(私はあなたをあまりにも厳しく扱いました)」という揶揄だ。
これをリポストし、「たぶんね(Perhaps)(笑)」とコメント。これが瞬く間に拡散し、数多くの「いいね」を集めたと報じられている。
Perhaps 🤣 https://t.co/LA9dhG7VgK
— Sergio Pérez (@SChecoPerez) December 7, 2025
SNS上の反応は鋭く割れている。「露骨すぎるブロックだ」「Yukiはチームオーダーの犠牲にされた」と批判と擁護が入り混じり、なかには「なぜここまでやらせたのか」とレッドブルの方針を責める意見もある。他方では「状況に応じて仕事をしただけ」「通常のディフェンスとしただけ、悪役に仕立て上げられている」と、角田を擁護するファンも少なくない。さらに「ノリスはお咎めなしなのか」「FIAの基準がまたブレている」と、裁定の一貫性そのものを問題視する声も根強い。

