ウィリアムズが2025年のコンストラクターズ選手権5位を確定させた。カタールGP決勝を終えて、背後に迫っていた中団勢とのポイント差が逆転不能となり、長らく低迷してきた名門がひとつの節目に到達した形だ。ウィリアムズは2003年のランキング2位を最後に、コンストラクターズ・チャンピオン争いから遠ざかってきた。12回の入賞でポイントを稼ぎ続けたアルボンが8位(最高位は4位)、2度の3位表彰台を獲得したサインツが9位と、二人で確実にポイントを積み上げた。
※ウィリアムズが2025年のコンストラクターズランキング
2018年:10位
2019年:10位
2020年:10位
2021年:8位
2022年:10位
2023年:7位
2024年:9位
ジェームス・ボウルズ代表は、この結果を「夢がかなった」と表現しながらも、浮かれた様子は見せなかった。確かに5位はここ数年のチーム状況を考えれば大きな前進だが、ボウルズは「トップ4とのギャップはいまだに大きい」と冷静に現状を見据えている。
その背景には、投資規模と組織改革のスピードの差がある。トップチームは予算上限の枠内であっても、蓄積された設備や人材、ノウハウを武器に開発競争を続けているのに対し、ウィリアムズはようやく近代的な体制づくりに着手した段階に過ぎないという。今季の結果は、その「立て直し」が方向として間違っていなかったことを示す中間報告にすぎないと言える。
ボウルズは、来季以降も継続的な投資と人材強化を進めなければ、5位というポジションもすぐに脅かされると認識している。中団は毎年のように勢力図が塗り替わる激戦区であり、「ここから先が本当の勝負」という言葉どおり、ウィリアムズがかつての表彰台常連のトップチームへと戻れるかどうかは、今後数年の決断と実行力にかかっている。

