角田裕毅が、崖っぷちの状況でようやく掴んだ手応えを言葉にした。カタールGPのスプリント予選で5番手につけ、チームメイトのマックス・フェルスタッペンを初めて予選で上回った角田は、「マシンに対して前よりも自信を感じている」と語り、ここ数戦とは明らかに違う表情を見せた。
今季途中にレーシング・ブルズからレッドブルへ昇格して以来、角田はフェルスタッペンのペースに近づけず、エミリア・ロマーニャGP予選での大クラッシュも重なり、シーズンを通して苦しい戦いが続いてきた。本人も「唯一の後悔はイモラのクラッシュだ」と認めており、その代償として古いスペックのマシンを強いられたレースもあった。
それでも、カタールの週末に向けて角田は「後悔はそれだけだ。あとは前を見るだけだ」と言い切り、「今はこのレースだけを考えている。将来についての決定はまだ下されていないし、自分の走り次第だ」と強調している。レッドブル残留か、F1シート喪失かという厳しい現実を理解したうえで、それでも目の前のパフォーマンスでねじ伏せようというスタンスだ。
同時に角田は、ドライバーズタイトル5冠を目指すフェルスタッペンを支える役割も自覚している。「マックスをできるだけ助けたい」と語り、今週末から残り2戦にかけてチームのためにポイントを取りこぼさない走りを誓った。自らの将来を左右するラストチャンスの場で、チームプレーヤーとしての責任と、ナンバー1ドライバーに迫る速さの両方を証明できるか。角田裕毅は、自信と覚悟を胸に、カタールのナイトレースに臨む。

