フェルナンド・アロンソが、2025年ラスベガスGPに痛烈なダメ出しをした。レース自体は13位完走に終わったが、問題視したのは結果ではなく「サーキットの質」と「カレンダーの配置」だった。2度の王者は、華やかな演出とは裏腹に「この路面はF1の水準ではない」と断じている。
アロンソは、ラスベガスのレイアウト自体は高速で走っていて楽しいと認めつつも、路面のアスファルトについて「グリップがなさすぎてタイヤに温度が入らない。極端にスリッピーで、しかも非常にバンピーだ。安全にレースできるギリギリのレベルだ」と批判した。F1マシンのパフォーマンスを発揮する以前の問題だという視点だ。
そのうえで「この路面が今後も許容されるべきか、FIAと話し合う必要がある」と発言し、統括団体レベルでの見直しを要求した。ドライバーたちがイベントとしての盛り上がりを評価する一方で、アロンソはあくまで競技の土台であるサーキット品質に線を引いた形だ。
もう一つの標的はスケジュールだ。ブラジルからわずか1週間で、時差13時間のラスベガスを経て、さらにカタールへ移動する流れを「正直、厳しすぎる」と批判したのである。F1のアメリカ市場重視と華やかなショーアップが進む一方で、ベテランは「安全」と「選手の負荷」という、より根源的なテーマに警鐘を鳴らした。

