ラスベガスGP決勝後、シャルル・ルクレールがフェラーリの戦略判断に公然と不満を示した。雨に翻弄された予選で9番手に沈んだものの、決勝では鋭いオーバーテイクを連発し、「特別なことをやる」だけのレースペースを持っていたと強調したのである。

レースの転機となったのは、ピット戦略だった。ルクレールは一時カルロス・サインツの前に出て主導権を握ったが、その後のピットタイミングでオスカー・ピアストリにアンダーカットを許し、実質的な表彰台争いから後退した。チェッカー時点では6位にとどまり、マクラーレン勢2台の失格により4位に繰り上がったとはいえ、キミ・アントネッリの直後、表彰台までわずか0.1秒差という結果は、むしろ悔しさを増幅させた。

ルクレールは、雨の予選で失速したことも含め、「何かを間違えた」とチームの判断を厳しく指摘している。フェラーリはドライコンディションでのロングランでは有望なデータを示していた一方で、ウェットでは依然として弱点を抱えたままだ。2026年の新レギュレーションを見据えつつ、悪条件でのペース改善と戦略精度の向上が急務であることを、モナコ出身ドライバーは結果以上に強いメッセージとして突きつけた格好だ。