FIAは2025年ラスベガスGP予選後、FIAはメルセデスに関する2件の審議調査を行った。その後結果を発表し、いずれも「処分なし」と裁定した。発端は、FIA技術責任者ジョー・バウアーが、メルセデスが予選用セットアップシートを規定時間内に提出しなかったとしてチームを審査委員会に付託したことにある。対象はジョージ・ラッセルと、アンドレア・キミ・アントネッリの両名で、セッション後に事情聴取が行われた。
メルセデス側は、提出自体は期限内にメール送信操作をしていたものの、ITセキュリティ上の障害によりメールが配信されておらず、FIA側で確認が出来なかったと説明。審査委員は関連メールの写しなど証拠を確認し、チームの主張を妥当と認定したため、両ドライバーに追加ペナルティは科されなかった。FIAは同内容の判断を2台分それぞれに出している。
雨に翻弄された予選でラッセルは暫定4番手(サインツの審議次第で繰り上がりの可能性)、アントネッリはQ1敗退で17番手と明暗が分かれたが、少なくとも手続き違反による順位降格のリスクは消えた。メルセデスは残り3戦でコンストラクターズ2位を争う立場にあり、今回の「無罪放免」は選手権終盤の戦いに向けた不確定要素を一つ取り払った形だ。

