レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、次に建てる自宅を“レーシングシミュレーターありき”で設計する構想を明かした。仏メディアF1iのポッドキャストSecuring the Winで語ったもので、現在の自宅用シミュレーターよりも本格的な設備を想定しているという。

フェルスタッペンは、レッドブル本社ミルトンキーンズにあるシミュレーターを引き合いに出し、「あそこまで巨大にはしないが、あのレベルに近いものを家に組み込みたい」と説明したとされる。新居そのものを、シミュレーターを中心に設計する発想だ。

シミュレーターは、すでに彼の日常の中心的な仕事道具になっている。フェルスタッペンは、長時間に及ぶセッションが時に退屈に感じられることを認めつつも、「マシンにパフォーマンスが眠っている以上、プロとしてやり切らなければならない」と強調している。

グランプリ週末の準備においても、その重要性は増す一方だ。路面グリップやコンディションが予想外に変化した場合、実走行のあとにシミュレータードライバーへ複数のセットアップ案を試してもらい、そのフィードバックをもとに次のセッションに臨む。こうした「サーキットと仮想環境の往復」が、今や競争の前提条件になっていると示唆している。

フェルスタッペンは元々シムレース愛好家として知られるが、自身がどれほどの時間をシミュレーターに費やしているかについては「数えたくない」と苦笑いし、自宅用の機材にも走行時間のカウンターはあるが「シーズン終わりに見るべきではない数字だ」と冗談交じりに語ったという。

最後に彼は、決め手になるのはプラットフォームよりもソフトウェアの精度だと強調する。とりわけGフォースの再現は難しく、物理モデルと挙動のアップデートは「終わりのない仕事」だと語ったという。細部に至るまでパフォーマンスを追求するフェルスタッペンの姿勢を象徴していると言える。