F1のスプリントレースが2027年に年間約10戦へ拡大する案が浮上している。まず2026年は現行の6戦を据え置き、その後の増枠に向けFOM、FIA、各チームの間で協議が進行中だという

スプリントは2021年に導入、23年から6戦となったが、24戦規模の現行カレンダーでは全体の約4分の1しか開催機会がなく、開催地間の「土曜コンテンツ競争」が激化しているのが実態だ。

ドメニカリCEOは「フリー走行だけでは退屈と感じる層が増えている」として週末の競技コンテンツを拡充する方針を示しつつ、「MotoGPのように全戦スプリントへ一足飛びにはいかない」と段階的拡大を強調する。

主催者側の反応も前向きで、Circuit of the Americas(米テキサス、オースティン)は、「チケットの即時増には直結しないがイベントの価値を高める」と評価し、マイアミでは24年大会で土曜来場者が増えたデータも示された。2025年は欧州でスプリントを実施したのはスパのみだったが、10戦規模になれば欧州枠の拡大も現実味を帯びる。さらに当初消極的だったドライバーの受け止めも、近年は賛成派が増えているとされる。

並行して、「レース距離の短縮」や「リバースグリッド」などの議題も継続審議されており、スプリント予選の刷新案(ワンラップ予選など)も提案段階にある。いずれにせよ最終決定にはFIAと全チームの合意が不可欠だが、早ければ2027年から段階的に反映される見込みだ。