
2025年F1中国グランプリは、Visa Cash App RBにとって波乱に満ちた週末となった。角田裕毅とチームメイトのイサック・ハジャーは、スプリントで堅実なパフォーマンスを見せ、力強い予選を見せ、決勝レースでもポイント圏内を走行していた。しかし、レース後半、チームの戦略判断が全てを台無しにした。
角田は2回目のピットイン時点で7位、ハジャーは9位を走行していた。しかし、タイヤとペースの状況をウォッチしていた各チームが1ストップ戦略に切り替える中、当初から決めていたと思われる2ストップ戦略を強行。ハードタイヤ(C2)の摩耗が予想以上に少なかったことを踏まえると、この判断が命取りとなった。体制・経験の不十分なテールエンダーチームを彷彿とさせる、RBの戦略レベルの低さは、レース後もSNSなどで話題になり続けている。
終盤に再度ポイント圏へ戻るには周回数が足りず、角田は果敢に攻め続けたが、カルロス・サインツに追いついたところで、突如フロントウイングのフラップが破損。ペースを落とさざるを得なくなった。角田はレース後、悔しさをにじませながらメディアの取材に応じた。
「戦略に関しては、なぜそうなったのか正直理解できていない。C2タイヤがここまで持つとは予想していなかったが、スプリントほどのペースはなかったのも事実である。そこはしっかりとレビューする必要があると思っている。」
「フロントウイングについては、何かに接触した記憶はない。恐らく破片か何かの影響だと思うが、実際のところは不明だ。ターン1でサインツとの差を詰めている時に、ダーティエアがフロントウイングのエンドプレートに当たって壊れたのかもしれない。構造的な問題なのか、破片を踏んだのかは分からないが、自然に壊れたような感じだった。」
「最初はパンクかと思った。タイヤの温度を確認しても異常はなかったので、パンクかどうかを無線で確認したが、その時点でもチーム側もまだ気づいていなかったようだ。フロントウイングが壊れた時は、まるでバスを運転しているような感覚だった。」
「この2戦でかなりのポイントを失っており、本当に悔しい。今シーズンのミッドフィールドは非常に接戦なので、こうしたチャンスを無駄にする余裕はない。」
「マシンのパフォーマンスがある時にしっかりとポイントを取らなければならない。昨年はシーズン前半で多くのポイントを稼げたからこそ、後半の苦戦にも耐えられた。今年はせっかくの速さを活かしきれていない。次戦以降、確実にポイントを取ることに集中する必要がある。」
一方、ハジャーもまた、チームの戦略に対するフラストレーションを隠さなかった。オーストラリアGPではDNS(出走取り消し)となったため、今回が初のフルレース出場。にもかかわらず、チーム戦略によりポイントを逃す結果となった。
「自分ではコントロールできなかった。戦略がレースを台無しにしてしまった。ペースは本当に良かったと思う。タイヤの状態が同じマシンについていけたし、かなり接近して走ることができていた。いいレースができていたと思っている。」
「常に他車と戦っているが、ポイントが取れないと分かっている時のレースは正直楽しくない。今回がF1での2戦目、そして初のフルレースなので、自分から戦略を提案することはしなかった。事前に決めたプランがあるなら、それに従うだけだ。序盤から戦うことはしない。」
「ピットイン時もタイヤの状態は良好だった。実際、他のチームはそのまま走り続けて、それがうまくいっていた。正直、それほど複雑な話ではない。1ストップで行っていれば、P7に入れていたはずだ。」
さらに、ハジャーは序盤の追い上げ時、アルピーヌのジャック・ドゥーハンと激しいバトルを繰り広げた。ドゥーハンはロングストレート後のコーナーでオーバーシュートし、両者の走行に影響を与えると同時に、ペナルティも科されている。それでもドゥーハンはしぶとくハジャーの前に立ちはだかり、パスを許さなかった。
「ああいうのは好きじゃない。相手がブレーキングでオーバーシュートして、コーナーにも入れないような距離から仕掛けてきた時点で、戦う意味がない。彼にはペナルティが出たので、最終的には自分が勝ったということだ。」
結果として、角田とハジャーはポイント圏外に沈み、フェラーリ2台の失格という大きなチャンスがあったにも関わらず、中国GP決勝はノーポイントで終えることになった。Visa Cash App RBの課題は明らかであり、次戦以降は天候、レース順位やライバルの状況に応じてストラテジープランを切り替える準備が必要になる。