
レッドブルは、シンガポールGPでの角田裕毅のオープニングラップについて「ショッキングなファーストラップ」と厳しい評価を下した。スタート直後の数コーナーで想定外のポジションダウンとなり、以降のレース運び全体に負荷がかかったという見立てだ。角田のレースペース自体は一定の水準にあったものの、最初の数百メートルで失ったポジションが最後まで尾を引いた格好だった。
レッドブルの初期分析では、クラッチのバイトポイントとローンチマップの最適化、アウトラップ相当のタイヤプリヒート不足、ターン1〜3のトラフィック判断とリスクマネジメント、の三点が主要因として抽出されている。加えて、オープニングラップでのポジション損失により、ダーティエアと温度管理の難しさが増幅し、計画していたアンダーカット/オーバーカットのウィンドウにもズレが生じたとみられる。
チームは次戦に向け、スタート手順の再現テストとシミュレーターでのローンチ反復、グリッド上のタイヤ・ブレーキ温度ターゲットの見直し、そして1周目の意思決定を簡素化する無線プロトコルの更新を進める構えだ。角田自身のスキルセットについては高く評価しており、単発のミスや不運でシーズンの評価を左右させないという方針は揺らいでいない。