
レッドブル・リンクで行われたF1オーストリアGPで、角田裕毅は最下位、16位でレースを終えた。引き続きRB21に苦しまされている角田は、レース後「なぜこれほど遅いのか、理由を見つけるのは本当に難しい」と明かした。またタイヤに厳しいといわれるレッドブルマシンについては、
「ロングランになると周回ごとにタイヤがどんどん劣化していくように感じる。まるで路面がタイヤを噛み砕いているよう It feels like the track is chewing the tyres)」
とコメントしている。オーストリアGPは予選から苦戦しており、Q1敗退。18番手からのスタートとなった。レース中も厳しい展開が続き、アルピーヌのフランコ・コラピントとの接触により10秒加算ペナルティとペナルティポイント2点が科された。また、アストンマーティンのランス・ストロールをコース外に押し出した疑いで調査対象となったが、この件では追加処分は免れた。しかし、その後もポジションを上げることはできず、16位でチェッカーを受けた。
一方、角田と交代でレッドブルのシートを失ったローソンは、レーシングブルズで6位と自己最高位で入賞し、選手権ランキングにおいても、角田はハジャー、ローソンの2人に追い抜かれた。角田は、4戦連続でポイント圏外という明らかに苦しい状況が続いている。レッドブルに乗ってレーシングブルズに負けた状態とあっては、今年もレーシングブルズに乗り続けたほうが良かったかもしれない、と頭をよぎったことだろう。レース後、マシンを降りた角田は改善の糸口を模索していた。
「正直言って、フランコに仕掛けたあの動きはちょっと不必要だったと思う。あと1周待つべきだったかもしれないし、自分にとってもあれは良くない動きだった」
「それ以外でも、正直言ってペースがかなり悪かった。何が悪いのか、自分でも分かっていない。もっとしっかり見直さないといけないけど、なぜこんなに遅いのか理由を見つけるのは本当に難しい」
次戦イギリスGPはダブルヘッダーの2戦目として、数日後に控えている。短いインターバルの中で、角田は次戦までにマシン理解を深めるのか、それとも一度リフレッシュを挟むのかと問われた。
「もっとちゃんと見直すつもりだよ。とにかくもっと調べる必要があるし、自分のドライビングスタイルで何か変えられることがあるなら試す。もしマックスが僕と違うことをやっているなら、それも参考にする。右から左まで、できることは全部試して前進し続けたい」