今シーズン、角田裕毅はレッドブルのシートを巡る瀬戸際に立たされ続けてきた。メキシコGP後には来季の体制が決定されるといわれてきたが、同チームのメキース代表「急ぐ必要はない」と明言し、が当初の期日通りには行わない意向を示した。
「我々は角田や、他のドライバーたちに可能な限り時間を与えたい。そして以前、メキシコ後に決めたいと言ったが、実はそんなに急ぐ必要はないんだ」
実際に、プラクティス1回目のセッションでは、レッドブルドライバー候補のアルヴィッド・リンドブラッドが角田裕毅を上回るタイムをマーク。燃料搭載量などがイコールコンディションであった可能性は低いが、チームアドバイザーのマルコは「多少答えが出た」とコメントしつつ、来季体制が即決されたわけではないと説明した。

一方、角田裕毅自身は、先日のアメリカ・オースティンでの週末を「おそらく彼のレッドブル時代で最高の週末だった」と振り返った。レースでは序盤で数ポジションを取り戻し、全体的なペースも上々だったと述べている。
「ペースは本当に、本当に良かった。序盤数ラップで数ポジションを上げることができて、全体的には悪くなかった。セカンドスティントではもう少しできたと思うけど…でも今週末2レースともポイントを獲れたのはポジティブだ。残り5戦、これを続けていかないと」
このように、角田裕毅は契約更新の瀬戸際に立たされながらも、自らの走りでアピールを続けてきた。そして、チーム側が決断を先延ばしにしたことで、彼には救済の回が巡ってきた格好だ。だが今後の数戦でのパフォーマンスが鍵を握る状況に変わりはない。
