
ホンダは9月26日、F1メキシコシティGP(10月26日)において、同社のF1初勝利マシン「RA272」によるデモランを実施し、そのステアリングをレッドブルの角田裕毅が握ると発表した。1965年、リッチー・ギンサーがメキシコで日本メーカーとして初のF1勝利を挙げてから60年——記念すべき節目に、伝説のV12が同じアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで再び咆哮を轟かせる計画だ。

RA272はホンダがフルコンストラクターとしてF1参戦2年目に投入した1.5リッターV12搭載車で、白地に日の丸を載せた“日本の象徴”として知られる。今回のショーランに向け、栃木のホンダ・コレクションホールに収蔵されている個体にHRC(ホンダ・レーシング)エンジニアが特別整備を実施。角田はホンダを代表する現役F1ドライバーとして、その歴史的マシンをドライブする。
角田は今回の機会について、次のように語っている。
僕にとって、ホンダがF1で初勝利を挙げた特別な場所でRA272をドライブできることは名誉だ。60年前に日本のモータースポーツの歴史を切り拓いたマシンを同じコースで走らせるのは、特別で胸が熱くなる体験だ。ホンダの“挑戦の歴史”を胸に、夢と情熱をファンに届けられる走りをしたい。
この発表は欧米メディアでも大きく報じられている。米Road & Trackは「現役F1ドライバーが本物のビンテージF1をレース週末の舞台で操る稀有な機会」と位置づけ、RA272の歴史的価値と象徴性を改めて紹介している。