
角田裕毅は、自身がレッドブルF1マシンで積み上げてきた進歩を結果で示せないことに強いフラストレーションを抱いている。一方で、マックス・フェルスタッペンという明確な基準を持てることについては「ありがたい」と感じている。
リアム・ローソンがレッドブルでの2戦で大苦戦を強いられた後、角田は今季の希望のひとつと見られていた。しかし結果という意味ではそれが形になっていない。日本人ドライバーは可能性を見せてはいるものの、同じ問題の中に巻き込まれているのだ。
これまで数々のドライバーを飲み込んできた自信を削ぐスパイラルの中にあり、さらに苦しいのは、ここ数戦で積み重ねてきた進歩を結果で示せないことだ。レースペースにしてもマシンのパフォーマンスにしても、思うような成果は出ていない。
「つまり結果だけを見れば、僕は走れていないように見えると思う。でも車の中では確実に前進している。実際にパフォーマンスを見たとき、たったひとつのアップデートでも一気に速くなった。大きな進歩だった。そして、今のグリッド全体はコンマ5秒の間にひしめいていて、0.05秒落としただけで簡単に2〜3ポジション順位が変わるんだ」
「オーストリア以降は特に、あと0.1秒や0.2秒でQ3を逃すことばかりだった。昔からそういうレースをずっとしてきた。だから結果で示すのは本当に難しかった。でも実際は僕自身が進歩していて、マシンに対して自信をつけられている」
「ただ、結果だけを見るとそれが見えづらい。実際には前進しているんだ。とにかく僕は全力でプッシュし続けている。それでも簡単ではなかったし、フラストレーションを感じているのは事実だ。でも少なくとも僕のエンジニアリングチームやガレージ側では、明確な進歩とペースがあることを理解している」
「比較すれば確実に良いペースを持っている。でもそれを結果で示せないのはすごく悔しい。Q3に進めないし、ポイントにも届かない。それは残念だ。でも僕たちはゲームのようなものだと理解していて、必ずステップを踏んで進んでいける。チームが求めるポジションに戻ることはできると分かっているんだ」
角田は改めてフェルスタッペンについて言及し、比較するのは正しくないと強調した。だが、その存在は自らの進歩を測るうえで大きな助けになっているという。
「彼はおそらく世界一のドライバーだと思う。どんな状況でも、毎回、毎セッションでマシンのパフォーマンスを引き出す。すごく印象的だ。彼はとても簡単にやっているように見えるけど、実際はそうではない。でも比べることが悪いことだとは思わない。彼と比べれば、多くの人が見劣りするのは当然だから」
「彼はもう9年もこのマシンを走らせてきていて、僕はまだ来たばかりだ。だから今の時点で直接比べるのは違うと思う。でも僕は僕自身に集中して、自分が改善できるところをひとつずつ積み重ねていくだけだ。彼と一緒にいることで、多くのことをすぐに学べる。僕が今までやったことのないことを、彼は当たり前のようにやっている」
「彼は常に僕に参考になる基準を与えてくれる。それで僕も新しいことに挑戦できる。彼は間違いなく価値ある存在だし、いい人で、素晴らしいドライバーだ」