
F1アゼルバイジャンGPの金曜フリー走行1回目(FP1)は、赤旗中断を挟んで実施され、マクラーレンがワンツー発進となった。トップはランド・ノリスの1分42秒704、2番手はオスカー・ピアストリ(+0.310秒)、3番手はフェラーリのシャルル・ルクレール。メルセデスのジョージ・ラッセルが4番手、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが5番手に入り、レッドブルの角田裕毅は6番手と上々の出だしだった。マックス・フェルスタッペンは7番手、フェラーリのルイス・ハミルトンはウォール接触でフロントウイングを破損し13番手にとどまった。
FP1は開始早々にターン周辺の縁石破損が見つかり赤旗となり、約25分の補修作業で再開が遅れた。中断の影響で走行プランの見直しを迫られるチームが多かったが、マクラーレンはパワーユニット系の懸念を解消しつつリスクを抑えた周回を重ね、ノリスとピアストリがともに好タイムを記録した。角田は市街地特有の壁際の攻めとミスのないまとめで、中団上位グループの基準タイムを確保。ロングストレートと90度コーナーが連続するバクーで求められるトラクションとドラッグの折り合いをつけ、予選に向けて手応えを得た格好だ。
午後のフリー走行2回目(FP2)ではフェラーリが1-2で巻き返した。路面の進化が大きい週末だけに、長い直線のスリップストリームとソフトタイヤの温度管理が予選の分かれ目になる。角田裕毅は単発の伸びと安定したロングランの両立ができれば、トップ5圏内に食い込む実力が十分にある。土曜の最終調整でどこまで仕上げられるかが鍵だ。セットアップは低ドラッグとダウンフォースのせめぎ合いで、決勝のタイヤ摩耗も見据えた分析力が問われる。
角田裕毅:「バクーでのドライビングはいつも少し違うので、各セッションからできるだけ多くの情報を得ることが重要だと思う。全体的に良い一日でした。ショートランでは改善の余地はありますが、金曜日にそれを経験できたので、明日は良いパフォーマンスを発揮できると思う。FP2ではロングランに重点を置き、かなり良い感触を得ました。今年はあまりそういう感覚はありませんでした。今のところマシンはうまく機能していて、これは本当にポジティブです。ラップごとに着実に近づいています。ポジティブな姿勢を保ち、正しい方向へ進み、明日何ができるか見ていきます。」