
F1第15戦オランダGP決勝で、角田裕毅に異常なスロットル(ペダル)マップが発生し、最終スティントを誤った設定のまま走行していたことが判明した。メキース代表は「ピットストップの後に間違ったマップにロックされ、元に戻せなかった」と説明している。PU自体の不調ではなく、ピットレーン内でのマップ切替手順が絡み、復帰後も固定されてしまったという。レース終盤のセーフティカー中には角田が無線で「パワーが出ない」と訴える場面があった。
ペダルマップは、踏み込み量に対するトルクの出方を定義する制御で、ピットレーンでは安全性重視の穏やかなカーブが用いられることが多い。今回はその緩いカーブ~加速トルクが通常の半分程度まで低下した状態に固定され、終盤は、立ち上がりでアロンソら近づけない局面が続いたとみられる。
メキースはFIAの規定に不満はないとしつつ、こうした制約がトラブル時のリカバリーを難しくしたとも示唆した。それでも角田はタイムロスを抑え、再スタート後の接戦を生き延びて9位でフィニッシュ。5月のエミリア・ロマーニャ以来、8戦ぶりのポイントを持ち帰った。チームは原因の再現と対策を急ぎ、次戦イタリアGP(9月6〜7日)へ向けて再発防止に取り組む構えだ。