今や関連メディアが毎日のように角田裕毅のレース結果、グランプリ前後の言動、関係者や解説者のコメント取り上げ、角田が今シーズンどこまでやれるかに、多くのF1関係者が注目している。

昨シーズン後半のペレスや、今季開幕2戦のローソンよりも安定した兆しを見せているが、レッドブルが再びコンストラクターズタイトルを狙うには、より速いドライバーが必要であるという声も根強い。角田裕毅には、シーズン中に何とかマシンをものにして、フェルスタッペンのすぐ後ろを走り、上位争いに加わる強さが欲しいところだ。

角田の課題について問われた際、レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェは次のように語った。

「チェコでは成功しなかったし、リアムでもうまくいかなかった。ユウキとは、まだトライしているところだ」

また、チームアドバイザーのヘルムート・マルコ博士も口を開いた。

「我々は、マックスに挑もうとせず、自分のスタイルで安定して走るドライバーが必要だ。他のドライバーたちは皆、その間違いを犯してきた」

「ユウキは、プラクティスではマックスにコンマ1秒差まで迫れる。でも予選になると、マックスは先に行ってしまう。マックスは予選に向けてクルマのセットアップを整えるのが得意だ。そしてすぐにそれに適応する。でもユウキの場合は、もう少し周回数が必要になる。ただ、実際にはその周回が足りないんだ」

「それに見落としてはいけないのは、我々のマシンが金曜にはひどい状態であることが多いという事実だ」

そして、イサック・ハジャー昇格の噂が急浮上しており、その件について尋ねられたホーナーは、思わず身をよじった。

「フラビオ(ブリアトーレ)の真似をして、“答えたくない”と言っておこうかな」と、笑いながら返した。

「まだユウキにとっては始まったばかりだ。彼はQ3に進出したし、ポイントも獲得している。ピットレーンスタートからでも得点した。でもいくつかのインシデントもあったし、これから成長していく余地はまだ大きい。僕たちには、今後の決断に向けて十分な時間がある」

角田裕毅は、F1スペインGP後にバルセロナ・カタロニア・サーキットで2日間にわたり旧型車で150周のテスト走行を行った。1日は旧型車テストTPC、もう1日はピレリのタイヤ開発テストでの走行だった。