今シーズンのF1グランプリは、スケジュールの75%を消化して残りは6戦。角田裕毅は瀬戸際に立たされている。レッドブルが来季はセカンドドライバーをハジャーにスイッチするという噂が絶えず、これを打破する結果が欲しいところだが、残りのチャンスは限られている。

角田裕毅の今季は、3戦目にレッドブル移籍という大きな動きとともに始まった。チャンピオンの横で勝利至上主義の圧力に曝され、研磨されていく一年だったと言えるだろう。序盤はマシンへの適応に手間取る場面が散見された。だが中盤以降はロングランでの摩耗管理とレースペース維持が安定し、マシンを飼いならすポイントを見つけた印象だ。しかし、夢にまで見た「優勝マシン」をドライブしたシーズン、またフェルスタッペンが4勝したマシンであることを考慮すると、期待したレベルに手が届かなかったレースが多いと言わざるを得ない。

Rd1 オーストラリア:予選5位/決勝12位
Rd2 中国:予選9位/SP予選8位/SP6位/決勝16位
Rd3 日本:予選14位/決勝12位
Rd4 バーレーン:予選10位/決勝9位
Rd5 サウジアラビア:予選8位/決勝DNF
Rd6 マイアミ:予選10位/SP予選18位/SP位/決勝10位
Rd7 エミリア・ロマーニャ:予選20位/決勝10位
Rd8 モナコ:予選12位/決勝17位
Rd9 スペイン:予選19位/決勝13位
Rd10 カナダ:予選19位/決勝12位
Rd11 オーストリア:予選18位/決勝16位
Rd12 イギリス:予選11位/決勝15位
Rd13 ベルギー:予選7位/SP予選12位/SP11位/決勝13位
Rd14 ハンガリー:予選20位/決勝17位
Rd15 オランダ:予選12位/決勝9位
Rd16 イタリア:予選9位/決勝13位
Rd17 アゼルバイジャン:予選6位/決勝6位
Rd18 シンガポール:予選13位/決勝12位

いまレッドブル内部では、角田裕毅の実力を見極めようと、ハジャーらとの比較が行われているだろう。残る数戦で望まれるのは、勝負どころで一段ギアを上げる決定力だ。週末のどこかで必ず流れを掴み、逃さない――その再現性が備わったときに、真価を見せつけられるチャンスが訪れることを願いたい。

レッドブルがフェルスタッペン&角田ペアを継続判断する可能性は高くないかもしれないが、他のチームなど関係者に印象付け、来季以降の立ち位置を得る意味でも~現状ではアストンマーティンのリザーブポジションを得るのが妥当だろうか~残り数戦のポジションは非常に重要になってくる。

※以下は角田裕毅F1デビューの2021年から2024年までの戦績