
フェラーリは9日の「キャピタル・マーケッツ・デー2025」で2030年に向けた戦略を示し、株価が急落する厳しい市場反応の最中に、ベネデット・ヴィーニャCEOがF1への決意を改めて強調した。ヴィーニャは「耐久で499Pが成果を示した一方、F1では改善が必要だ。我々は勝たねばならない。世界中のティフォシに応えるために」と語り、スクーデリアの復権を最優先課題に据えた。
同イベントでは、電動化比率や収益見通しを見直したことで投資家の期待値が修正され、株価は前日比約15%下落。経営は「ブランドの希少性と高利益率の維持」を掲げ、電動化を段階的に進める慎重姿勢を示した。だがヴィーニャCEOは、伝統・技術・レースの交点にあるフェラーリの本質は変わらないと強調し、そのレースの中心にF1の勝利を置く。
エルカン会長もレース部門の立て直しを個人的使命と位置づけ、マラネッロ全体に団結を呼びかけた。経営トップの明確なメッセージは、財務・製品戦略の転換点にあるフェラーリが、F1でのタイトル奪還を企業価値の要とみなしていることを示す。