2024年、アストンマーティンは全チームのなかで最も多くのマシンアップデートを実施したが、トップ争いには取り残され、前年の280ポイントに対してわずか94ポイントしか獲得できず、表彰台に1度も上がれなかった。

アストンマーティンF1チームは、アンディ・コーウェルを新たなチーム代表に据え、組織体制の刷新を発表した。コーウェルは、1991年からコスワースやBWMでのエンジン開発を経て、2004年から2020年までメルセデスで過ごし、2024年7月からアストンマーティンCEOに就任していた。今後はCEOとしての役割に加え、チームの指揮を執ることになる。前任のマイク・クラックはトラックサイド責任者として、エンリコ・カルディーレは最高技術責任者として、それぞれコーウェルの下でチームを牽引する。

「私の最初の仕事は、人々と知り合うことであった。私は多くの時間を人々と話すことに費やしてきた。社内の人々、そしてパートナーであるアラムコやホンダなど、社外の人々と話をしてきた。私の経験はすべてパワーユニットに関するものであり、空力やマシン全体を創造する直接的な経験はないため、多くの質問をする機会を得られた。」

持続可能な組織を構築

「誰もが自分の強みを発揮すべきなので、彼らの強みが何であるか、どのようにマシンに貢献できるかを把握することが重要である。ラップタイムで最高の結果をもたらすために、チームに強さとバランスが備わっていることを確認するのは私の責任である。たった1つのシーズンにすべてを投入することで将来のパフォーマンスを損なうことのない、持続可能な組織を構築することにつながる。」

「確かに、今年のマシンの開発に集中し、最高のパフォーマンスを引き出すことに集中する人々が必要であるが、来年のマシン、そしてその次のマシンの開発に十分な焦点が当てられていることを確認することも重要である。人々は目先の優先事項に焦点を当てる傾向があり、将来の優先事項は妥協を余儀なくされるからだ。」

「それは未来への投資、つまり他の誰もまだ追求していない新しいアイデアに投資し、困難な目標を達成することである。エベレストに一度だけでなく何度も登りたい、頂上まで登るために必要なことは何でもし、それを何度も繰り返す覚悟のある人々が必要だ。それが、ローレンスと私が築こうとしている基本的な姿勢と精神だ。」