2025年シーズンのアルピーヌは、混乱と低迷から抜け出せないまま新たな再編を迎えた。今回はルノーCEOルカ・デ・メオの突然の退任によるものである。デ・メオは元F1チーム代表のフラビオ・ブリアトーレをF1エグゼクティブアドバイザーとして任命した人物であり、そのブリアトーレが、オリバー・オークス代表の不可解な退任を受け、事実上チームを率いる立場となった。

ブリアトーレは「2029年まで今の役割を果たす」と語っており、その職務内容はわずかに変更されたと独Auto Motor und Sportは報じている。

同誌のミヒャエル・シュミット記者によれば、ブリアトーレは今後、ルノー会長のジャン=ドミニク・スナールに直接報告を行う必要があるという。スナール自身もモータースポーツに強い関心を持つとされている。実際、先週末のオーストリアでは、2026年からアルピーヌが再び「ルノー」の名称に戻る可能性があるという噂も浮上していた。

だが、ブリアトーレが今もっとも懸念しているのは、現在のマシンにはQ3進出の実力があると信じている一方で、彼が推してきたフランコ・コラピントが期待に応えていないことだ。

アルピーヌは現在コンストラクターズランキング最下位に沈んでおり、複数の有力筋の報道によれば、ブリアトーレはオーストリアで、2026年にエンジン供給を行う予定のメルセデスのトト・ヴォルフ代表と会談したという。

この会談は約30分にわたって行われ、メルセデスのリザーブドライバーであるバルテリ・ボッタスのレンタル移籍が議題に上がったとされている。グランプリ10勝を誇る35歳のボッタスには、2026年から参戦予定のキャデラックとの複数年契約が間近に迫っているとも報じられている。

オランダの著名解説者オラフ・モルは、Ziggo Sportに次のように語った。

「もしボッタスが今アルピーヌに乗って、毎週ガスリーに打ち負かされるようなことになれば、来年のキャデラック契約交渉は終わりだ。だから彼は確実に結果を出さなきゃいけない。そうじゃなければF1でのキャリアは完全に終わってしまう」

ただし、すでにボッタスがキャデラックとの契約にサインしているという見方も存在する。

「そうなっていれば、アルピーヌは“つなぎ”のチームってことになるから、問題は少ないだろうね」

元レッドブルF1ドライバーのロバート・ドーンボスも、このボッタス移籍の噂には単なるパフォーマンス以上の意図があると指摘している。

「忘れちゃいけないのは、来年アルピーヌはメルセデスエンジンを積むということだ。だからアルピーヌとしては“今ボッタスを走らせる代わりに、来年のエンジン代を割引してくれ”って交渉してるのかもしれない。結局は、ハイレベルなビジネスの駆け引きということさ」

ドーンボスはさらに、21歳のコラピントがこれまでのところ期待を裏切っているのは明白だとも語った。

「彼はウィリアムズでセンセーションを起こしてデビューしたけど、今やクラッシュばかり起こしてる」