今季1回目の母国グランプリとなったイモラの週末、フェラーリは2台ともにQ2敗退となった。フレデリック・ヴァスール代表はシーズン序盤の総括を語った。

「我々は正直にならなければいけない。もっと良い結果を期待していた。2024年の終盤はマクラーレンと戦っていて、彼らの方がコンマ2秒ほど速かったかもしれないが、それでも僕たちは良いポジションにいたし、戦えていた」

「チームのみんなは全力を尽くしている。でも現時点ではベストな仕事ができていない。それを受け入れて、改善のためにモチベーションを高める必要がある」

一方で、チーム内部の士気に問題はないという。

「むしろ、時には彼らを落ち着かせないといけないくらいだ」

と語るヴァスールは、マクラーレンとの力の差について、まだ埋めるべきギャップがあると認めている。

「ジェッダでは我々がレースで一番速かったけど、マイアミではそうじゃなかった。気温のちょっとした変化が巨大な影響を与える。暑いときはマクラーレンにアドバンテージがある。鍵はタイヤの適正ウィンドウにある」

「今のF1では、マシンのすべてのコンポーネントをシミュレートできる。でも唯一、ブラックボックスのような存在がタイヤなんだ。路面温度が4~5度変わるだけで結果が違ってくる。違うウォームアップラップや空気圧でも影響する。しかも、毎戦でタイヤが違うし、サーキットも違えばアスファルトも違う。同じ条件で走ることなんて一度もない」

タイヤが全チームにとって共通の課題であることを認めた上で、現在のF1ではそれが勝敗を左右する重大な要素になっていると指摘する。

「もし5台のマシンが0.1秒差にひしめいているなら、その0.1秒の違いで“王様”にも“馬鹿”にもなれるんだ。誰の目にも明らかだけど、気温が高いときのマクラーレンは他チームよりも有利だ」

では、フェラーリに足りないものは何か?

「特定のコーナーやセクターでのパフォーマンスというよりも、タイヤの適正なウィンドウをうまく捉えるかどうかの問題だ。僕たちが持っているパッケージから最大限の力を引き出して、マシンの特性を活かす必要がある」

「10~15年前のように、試すための新パーツをどんどん投入することはもうできない。効率的にやる必要がある。我々は自分たちの方針を貫くつもりだ。ただ、ある時点では2026年に向けて全リソースを集中させないといけないのも確かだ」