メキシコGPで発生した“マーシャル横断ニアミス”に対し、FIAが調査と対応を進めている。レース序盤、ピットでフロントウイングを交換した直後のリアム・ローソンがターン1〜2の間でコースへ戻った際、コース上を横断する2人のマーシャルと危うく接触しかけた。ローソンは無線と取材で強い憤りを示し、この状況を「受け入れがたい」と表現した。

FIAは、ターン1の頂点付近にデブリ発生の報告を受け、マーシャルを待機体制に置いていたが、ローソンのマシンが通過した後に実施すべきだったとして、現場対応の手順と指示系統を検証中だという。決勝時点ではフルコースのセーフティカーやVSCは作動しておらず、現場判断の混乱があった可能性を示唆した。

ローソンは「彼らを轢きかねなかった」と強く訴え、F1全体の安全文化を守るためにも事実関係の徹底解明を求めた。今回の件は、VSCの運用やコースクリア手順の透明性にも波及しており、FIAはメキシコGP終盤のVSC判断の説明を含め、関連領域の見直しを進めるとみられる。