アゼルバイジャンGPの木曜、レーシング・ブルズのリアム・ローソンが、2026年のレッドブル昇格が取り沙汰されるチームメイト、イザック・ハジャーに助言を送った。ローソンは「レッドブルはとてもタフな場所だ。周囲のノイズに惑わされず、目の前の仕事に集中し続けるべきだ」と語り、自らの“昇格→短期降格”の経験を踏まえ、ビッグチーム特有の厳しい期待値を指摘した。ローソンは今季、シーズン序盤に本家レッドブルで起用されたが、短期間で姉妹チームへ戻る決断を突きつけられている。

ハジャーは今季序盤の失態を乗り越え、堅実な走りで評価を高めているが、本人はバクーでの取材に対し「契約には何もサインしていない」と噂を否定。ただし来季の行き先について「見通しは持っている」と含みも持たせた。

その裏側で、角田裕毅の去就は依然不透明だ。欧州メディアは、今後数戦での大きな巻き返しがなければ2026年に残された選択肢はレーシング・ブルズ復帰か、アルピーヌ移籍か、その他陣営でのリザーブ起用と見る向きが強い。一方、レッドブルの26年体制は年内決定との観測があり、若手の序列は最終盤まで揺れ動く可能性が高い。

ハジャーの躍進、角田の苦境、そしてローソンの教訓。三者三様の立場が交錯する中、欧州ラウンド終盤のパドックでは次の一手を占う駆け引きが熱を帯びてきた。