ニコ・ロズベルグは、クリスチャン・ホーナーがレッドブルから更迭されたあと、チーム内に変化が起きていると感じている。

ホーナーの突然の退任は、思わぬ再会をもたらした。ローラン・メキースと角田は昨年までレーシング・ブルズでコンビを組んでおり、今回の再タッグが角田に好影響を与えているとロズベルグは見ている。

ベルギーGPで角田は惜しくもポイントを逃したが、明らかな前進があった。そのひとつが予選7位という好位置。そしてレースでポイントを逃した要因も、彼自身のミスではなく、チームのピット判断の遅れだった。

しかし、2016年のF1ワールドチャンピオンであるロズベルグは、それ以上に注目すべき点があると語った。彼が見たのは、角田とメキースの間に交わされたひとつの瞬間だった。

「今週末、ローランは本当に角田裕毅に力を与えていた。新しいアップグレード、つまり新型フロアを彼にも与えたんだ。今まではフェルスタッペンだけが得ていたものをね。
セッション後には、メキースはサムズアップと笑顔で彼に応えていた。予選後には、ピットウォールのメキースを見つけた角田も笑顔で手を振っていたんだ。
「こういう瞬間は、ドライバーにとって大きな意味を持つ。突然、チームからの信頼とサポートを感じることができる。
それまでは、彼は孤立しているように感じていたと聞いている。まるでこのチームはマックス・フェルスタッペンだけのために存在していて、他のことには関心がないようだった。でも今は違う。ローランはすぐに角田にも気を配っている」

このロズベルグの見解は、レース後にメキースが語った内容とも一致している。彼は、角田が新型フロアにすばやく順応したことを高く評価していた。

「このフロアについては、ずいぶん話題になったけど、実際のところ特別なことではない。パーツをできるだけ早くサーキットに持ち込むために、我々は常に全力でプッシュしている。そして1台分が先に来て、もう1台分はその後になるというのは、よくあることなんだ。
いつ新しいパーツが届くのか、それによって使えるタイミングが変わってくる。今回は、翌週まで待つか、それともスプリントと本戦予選の間という非常に珍しいタイミングで使うかの選択だった。
「このタイミングで使うのはリスクがある。なぜなら、マシンの各部を確認する時間が非常に限られていたからだ。でもユウキは素晴らしい仕事をした。
実際、予選では出走が少し遅れた。それだけでも代償を払うことになる。なぜなら、ドライバーはマシンの仕様が変わったとき、すぐには順応できないからだ。
「それでも僕らは、リスクを取る価値があると判断した。そしてユウキは、その新仕様に予選中に順応し、マシンのポテンシャルを引き出してくれた。
彼は本当に強い予選を戦ってくれた。あの条件下で、あれだけのパフォーマンスを引き出したのは本当に見事だった」