
マックス・フェルスタッペン以外のドライバーにとって、レッドブル・レーシングへの加入は祝福であると同時に呪いにもなり得る。それは角田裕毅にとっても例外ではなかった。
チーム昇格以降、角田はチームメイトに対抗する術を見つけることに苦しんできた。しかし、元F1王者でありSky Sportsの解説者でもあるニコ・ロズベルグは、「まだ希望は残っている」とコメントした。
2025年のドライバーズランキングで、フェルスタッペンがマクラーレン勢とタイトル争いを繰り広げる一方、角田は13位に沈み、わずか10ポイントしか獲得できていない。角田裕毅も、開幕戦時点で苦戦していたリアム・ローソンと同様に、RB21のドライブに手を焼いており、これは今後チームに残るための障壁となる可能性がある。
元F1チャンピオン、現在はSky Sportsで解説を務めるニコ・ロズベルグも、角田の厳しい立場について見解を述べた。
「マックス・フェルスタッペンは”チームメイト殺し”だ。大げさに言ってるわけじゃない。あの男のチームメイトになるのは本当に悲惨なことなんだ。誰一人として彼に0.6秒以内で迫れない。F1ではそれはまるで別カテゴリの話だ。まったくひどい」
「そして可哀想なのはユウキだ。彼は素晴らしいドライバーなのに、今その立場に置かれていて、本当に苦しんでいる。彼自身も言ってたけど、“ラップは良かったのに、結果はひどい”と。13位に沈んで、フェルスタッペンから6テンツ、トップからは9テンツも離されていた。これは本当に苦しい状況だ」
レッドブルが“ナンバーワンドライバー”のためにマシンを設計する傾向があることは、もはや周知の事実であり、現時点でそのドライバーは4度の世界王者フェルスタッペンに他ならない。では、なぜレッドブルはセカンドドライバーにもっとフィットするマシンを作れないのか。
「僕自身もその点は理解に苦しんでいる。すべてがフェルスタッペンが特別すぎるという事実に帰着する。だって、他のドライバーたちもみんな素晴らしいんだよ?でも、彼だけが明らかに“別次元”なんだ」
しかし、角田にとって希望の光はまだ完全には消えていない。ロズベルグは「やるべきことはある」と語った。
「ユウキができる唯一のことは、とにかく必死に努力することだ。フェルスタッペンがクルマで何をしているかを学ぶために、全力を尽くす。彼がどんなセッティングを使っていて、なぜそうしているのかを理解し、データを見て、可能な限りすべてをコピーするんだ。一歩一歩、コーナーごとに真似する。それをずっと続けることが大切だ。そうすれば、3テンツ(0.3秒)以内には入れるはずだ。それなら大丈夫。3テンツ差なら、まったく問題ない」