レッドブルは2026年のドライバーラインナップの最終決定を「アブダビ頃まで」先送りする方針だという。タイトル争いに集中する狙いに加え、評価期間の延長で候補者間の比較材料をさらに積み上げたい意向があると見られる。これにより、角田裕毅の去就は年末まで揺れる構図になった。
角田は今季、起伏はありつつも要所でポイントを重ね適性を示してきた。ただしレッドブル側は「まだ十分ではない」とする厳格な評価基準を崩していない。走りの完成度、週末全体の平均点、そしてチームメートや他候補との直接比較が引き続き精査対象になる。
一方で、レッドブル育成の新星アーヴィド・リンドブラッドが力強い印象を残すなど、将来枠を巡る競争は激化している。レッドブルにはリンドブラッド、ローソン、ハジャーら選択肢が十分に揃っている。角田にとっては、残り4戦で予選・決勝ともに安定して上位を獲ることが何よりの説得力になる。チームメイトがタイトル争いに加わり支援が必要とされる状況、またここまで年間5勝を挙げた「優勝マシン」に乗ったいま、表彰台争いレベルの戦績でマクラーレンを足止めしたいところだ。発表延期はリスクであると同時に、シートを奪い取るための猶予でもある。
