マクラーレンとレッドブルが、2025年シーズン以降のF1覇権を巡る議論を展開している。特にレッドブルは、2026年に施行される新規則と初の自社製エンジンに直面する中で、優勝候補としての地位が揺らぐ可能性を認識している。


レッドブルの挑戦――マルコが語る課題

アブダビGP前、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは、オーストリアの放送局Servus TVに出演し、マックス・フェルスタッペンがラスベガスで4度目のタイトルを決めた際の感想を次のように語った。

HM: 「決勝での決着にならずに済んだことに安堵している。」

2024年シーズン序盤は好調だったレッドブルだが、マルコはその後の開発でミスがあったことを認めた。

HM: 「開発の方向性を誤ったことに気付くのが遅れた。しかし、幸運にも後半で軌道修正することができた。とはいえ、チーム内の混乱や重要な人材の流出など、多くの課題に直面した。」
HM: 「現時点では再び正しい方向を見つけたが、まだ予測可能な車には至っていない。2025年にはより広い作業ウィンドウを持つレースカーが必要だ。来年は現行規則の最終年であり、各チームの性能差は非常に縮まるだろう。」

さらに2026年について、彼は次のように語った。

HM: 「2026年はさらに大きな挑戦となる。我々は完全に新しい規則に直面し、初めて自社製エンジンを投入することになる。多くの課題を抱えている。」
HM: 「マックスにそこそこの車を与えることができれば、彼の実力が最終的な差を生むだろう。我々は5連覇を目指している。」


マクラーレンの攻勢――ブラウンの自信

一方、マクラーレンのCEOザク・ブラウンは、レッドブルの現状を冷静に分析しつつ、2025年以降に自信を見せた。オランダの新聞「De Telegraaf」に対し、彼は次のように語った。

ZB: 「来年に向けて我々の車を大幅に改良する計画を進めている。チームの大胆さには感心している。」
ZB: 「F1で成功するためにはリスクを取る必要がある。最善を尽くすにはそれしかない。」

また、レッドブルについてはこう指摘した。

ZB: 「レッドブルは重要な人材を多く失ったが、その影響はまだ完全には現れていないと思う。」
ZB: 「優れたチームではあるが、文化や雰囲気も重要だ。」

2026年に関しては次のようにコメントしている。

ZB: 「2026年はさらに大きな挑戦となるだろう。自社製エンジンを初めて投入するが、初年度から競争力を持ったチームを私は思い出せない。それは大きな疑問符となる。」