フェルスタッペンが4連覇を達成する一方で、ペレスはタイトル争いに絡むことすらできなかった。これは、かつてセバスチャン・ベッテルが2010年から2013年まで4連覇を果たしたときにもマーク・ウェーバーに見られた現象である。元アストンマーティンのストラテジストであるベルニー・コリンズは、「レッドブルはセカンドシートを機能させるための対策を講じるべきだ」と語った。

レッドブルのセカンドシートには何が起きるのか?

2024年シーズン序盤には5戦中4回の表彰台を獲得するなど好調に見えたペレスだったが、「シーズン途中で解雇されるのではないか?」という噂が絶えなかった。中国GP以降は67ポイントしか獲得できず、シーズン終盤の8戦では9ポイントしか加算できなかった。そして噂は現実のものとなり、レッドブルは12月中旬にペレスとの契約終了を発表した。

ペレスと旧知の間柄であるコリンズは、この状況を「見ていて歯がゆい」と表現し、レッドブルがセカンドシートのパフォーマンスを引き出せていないのではないかと指摘した。

「私は以前、マクラーレン時代やフォース・インディア(とレーシング・ポイント)時代にチェコと一緒に仕事をしてきた。彼は多くの戦略を成功させてきたし、レッドブルで何が問題なのか正確には分からないが、非常に残念な状況だ。」

「レッドブルはこれまで、ドライバーを早々に見切ることで批判されてきたが、ペレスには長くチャンスを与えた。しかし、それでも改善が見られなかったということは、マシンの開発などに根本的な問題があるのではないか?」

「セバスチャン・ベッテルの時代から、レッドブルのマシンは基本的にエースドライバー向けに設計されてきたように見える。チームはウェーバーやペレスの意見や希望を聞いて、何かマシンに変更を加えたことがあるのだろうか?ドライバーとチームが一体となってマシンの改善に取り組めたはずだが、それができていなかったのではないか?」

「これまでにも、ペレスが素晴らしいパフォーマンスを見せた瞬間はあった。彼は強いメンタルを持っており、家族とともにレースを戦うことで精神的な支えを得ている。そして彼は、困難な状況でもすぐに前向きになれる力を持っている。例えば、彼は予選結果が悪くても、すぐにチームにやってきて『予選は最悪だった。でもどうやってレースで勝つか考えよう』と言うんだ。彼は誰よりも早く気持ちを切り替える。そんな彼が苦しむ姿を見るのは残念でならなかった。」

「だからこそ、レッドブルは本気でセカンドシートの問題に取り組むべきだ。コンストラクターズタイトルを狙うためには、誰がその席に座ろうと、確実に機能させる必要がある。」

今シーズン、レッドブルのセカンドシートにはリアム・ローソンが座る。 そして、チームの重鎮であるヘルムート・マルコは彼の役割について「フェルスタッペンをサポートし、タイトル獲得を助けることだ」と明言している。再び「レッドブルのセカンドシート問題」が浮き彫りになるのだろうか。