
レッドブルのF1 2025シーズンのスタートが順調でなければ、マックス・フェルスタッペンは「非常に扱いづらくなる」かもしれない。
そう警鐘を鳴らしたのは、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーである。レッドブルのテクニカルディレクターであるピエール・ワシェが、同チームの新マシン「RB21」がバーレーンでのテスト中に「期待通りに反応しなかった」と認めたことを受け、レッドブルには開幕戦オーストラリアGPに向けて課題が残されている。
プレシーズンテストは順調ではなかったレッドブル
レッドブルは、2024年シーズン後半の苦戦からの巻き返しを目指している。そんな中、2025年シーズンのカギを握るのがRB21である。しかし、このマシンはF1界の伝説的デザイナーであるエイドリアン・ニューウェイの監修を受けていない、RB2以来の“ニューウェイ不在”のレッドブルマシンとなる。そのため、開幕前テストの結果には注目が集まっていた。
テクニカルディレクターのワシェは、バーレーンテストの手応えについて次のように語った。
「我々が期待していたほどスムーズなテストではなかった。しかし、こうした問題を早期に発見できたことはポジティブな面もある。これこそがテストの目的であり、マシンを理解するための重要なプロセスだ。」
「天候が我々にとって有利ではなく、(雨は)このコースにとって代表的なコンディションではなかった。しかし、マシンのポテンシャルを探り、異なるセットアップにどのように反応するかを分析することができた。それに関しては、概ね達成できたと考えている。」
「ただ、マシンが時折期待した通りに反応しなかったことに関しては、完全に満足しているとは言えない。方向性は間違っていないが、その変化の幅が予想より小さかった。これについては、開幕戦に向けて、さらにはシーズン中の開発の中で改善していく必要がある。」
レッドブルのテスト走行は度々中断され、ローソンがレースディスタンスをほとんど経験出来なかったことは恐らく予定外であり、またドライバーが2人とも、中速コーナーを積極的に攻めることが出来なかったと指摘されている。
不機嫌なマックスは厄介なマックス
そんな中、シュタイナーは、もしレッドブルがシーズン序盤から苦戦するようなことがあれば、フェルスタッペンの振る舞いが厄介なものになる可能性があると警告している。CNNのインタビューで、シュタイナーはフェルスタッペンの2025年シーズンについて問われ、次のように語った。
「昨年、彼は勝てなくなり始めたとき、かなり攻撃的な反応を見せていた。しかし、その後、彼自身も理解したのだろう。『とにかく賢く立ち回り、レースに勝てなくてもできる限りポイントを稼ぐことが重要だ』とね。」
「しかし、もし彼が優勝できるようなマシンを持っていなかったら、非常に扱いづらくなるはずだ。彼は不満を公にし、チームに対して厳しい姿勢を取るだろう。不機嫌なマックスは、厄介なマックスだということは、誰もが知っている。」