レッドブルにとって突破口となる進展が、まさに絶妙なタイミングで訪れたようだ。フェルスタッペンとチームは、マイアミで見せつけられたマクラーレンの衝撃的な支配力に打ちのめされながらイモラに乗り込んだ。チームアドバイザーのヘルムート・マルコ博士とフェルスタッペンの父ヨスは、イモラに投入するアップグレードが今シーズンを立て直すための最後のチャンスであることを認めていた。

「僕たちは今回、いくつかの新パーツを持ち込んだ」と、日曜のポール・トゥ・ウィンの後にマルコは喜びを隠さず語った。これにより、フェルスタッペンの選手権ポイント差はわずか22点にまで縮まった。

「マクラーレンよりも優れていたと思う。単純に我々の方が速かった。ここ1年で初めて、アップグレードがクルマにポジティブな影響を与えた。嬉しい限りだ。来週のモナコにも大きな自信を持って臨める。」

「タイヤの摩耗に関しては、少なくともマクラーレンと同等だった。久しぶりに、マックスが自由に走れるほどバランスの良いクルマだった。こういう結果を見られて本当に良かった。」

これまでチーム内では、風洞と実走との間に明確な相関問題があることを嘆く声が上がっていたが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは事態の改善を語った。

「今、その相関を理解し始めている。今回のレースには多くの新パーツを持ち込んだが、それが大きな効果をもたらした。」

テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、エイドリアン・ニューウェイの離脱後に批判を浴びてきたが、日曜のチェッカーフラッグ後には珍しくメディアの前に姿を現した。今回のレースが、レッドブルにとって通算400戦目となる節目でのブレイクスルーであったとワシェは明言した。

「そう思う。今回のアップグレードは明確に私たちに利益をもたらした。タイヤのマネジメント面でも改善が見られた。マイアミで一歩前進できたが、今回はさらに次のステップを踏めた。セットアップは大幅に向上したし、新しいパッケージはさらなる改良の余地も広げてくれる。」

「だがマクラーレンは依然として非常に良いクルマを持っているし、彼らもまだ開発を続けている。僕たちも全力で攻め続けなければならない。」

一方のフェルスタッペンは、以前には2026年以降レッドブルからの移籍も示唆していたが、久しぶりに満足のいくマシンを手にしたことに安堵していた。Viaplayのインタビューで以下のコメントを残している。

「久々にクルマに満足できたのは本当にうれしい。ただ、今は落ち着いていなければいけないし、すぐに大騒ぎするような時じゃないと思う。僕のタイヤも摩耗していたけど、周りのほとんどのクルマよりはマシだったと思う。」