レッドブル内部で「タイトルは終わった」とささやかれてからわずか数週間。マックス・フェルスタッペンが再びワールドチャンピオン争いに名乗りを上げようとしている。

マクラーレンのピアストリとノリスがフェルスタッペンに対してそれぞれ69ポイント、61ポイントのリードを築いていたことから、レッドブルのヘルムート・マルコはかつて「もはやチャンピオンシップは終わった」とコメントし、諦めムードをにじませていた。しかし今週末のベルギーGPを前に、マルコはSpeed Week誌でまったく異なるトーンを見せた。

「まだ12戦のグランプリと4戦のスプリントが残っている。つまり、グランプリで300ポイント、スプリントで32ポイントがまだ手に入るということだ」

「この状況と、ベルギーで投入するさらなるアップグレードによってマクラーレンとの差を縮められる見込みもあることから、ワールドチャンピオン争いが終わったとは思っていない」

また、Skyドイツの番組Backstage Boxengasseに出演したラルフ・シューマッハは、レッドブルの新体制(ローラン・メキースの指揮)がチームの雰囲気を一変させ、フェルスタッペンの将来にも好影響を与えていると語った。

「メキースは素晴らしい人物だ。彼とフェルスタッペンは下積みの頃からお互いを知っているし、信頼関係がある。彼はチームを再びひとつにまとめてくれるだろう。全員が団結し、全力を尽くすようになるはずだ」

元F1ドライバーのシューマッハは、クリスチャン・ホーナーの退任によって、フェルスタッペンがメルセデス移籍を考えるきっかけとなったチーム内の緊張が解消されたと示唆した。

「機能していないマシン、内部の問題、そしてチーム内の悪い雰囲気が、フェルスタッペンに移籍を考えさせた理由だった。でも、今のメキース体制では、すべてが本当にオープンになっている。実は今は、先週とはまったく違う感覚を持っている。これでフェルスタッペンはレッドブルに残ると思っている」

フェルスタッペンは先日、サルデーニャでの休暇中にメルセデスのボス、トト・ヴォルフと会っていたといわれるが、ヴォルフはその後、2026年に向けてジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのコンビを維持する方針をほのめかしている。

スパとハンガリーに向けて、レッドブルは新たなアップグレード、特に新型フロントウイングの投入を明かしている。

シルバーストンでは、フェルスタッペンは予選で薄型リアウイングを用い、ドライコンディションの中でポールポジションを獲得した。しかしレースでは雨が降り、セッティングの影響で苦戦した。

マルコはスパでも同様のアプローチを検討しているとし、このサーキットの特徴がそれに適していると語った。オランダDe Telegraaf紙は、今回の目玉となる新パーツがフロントウイングであると報じている。

「スパ=フランコルシャンは、我々のマシンにより適したサーキットになるはずだ。特に天候が不安定になりやすい点も我々にはプラスになる。ハンガリーは少し難しくなるかもしれない」

一方のフェルスタッペンは、サルデーニャでの休暇を終え、すでにミルトン・キーンズのファクトリーに戻っていた。

「先週、ファクトリーに戻ってシミュレーターでチームと一緒に作業したよ。ローランと密に取り組めるのを楽しみにしている。スパはクラシックで、僕がカレンダーの中で一番好きなサーキットだ。とてもオールドスクールなコースで、すべてを完璧にこなす必要がある」