
マックス・フェルスタッペンが再びF1世界選手権争いに参加した。レッドブルは勢いを取り戻し、マクラーレン陣営には動揺が走っているといわれる。
シーズン中盤のオランダGP以降、フェルスタッペンは64ポイントを獲得している。4勝を挙げたこの追い上げ劇を、オランダ「デ・テレグラーフ」紙は「2025年シーズンは極めて壮大なクライマックスを迎えるだろう」と評した。
フェルスタッペンはマシンの改善ポイントを見つけたとコメントしている。
「マシンの方向性が見えてきたんだ。どこを改善すべきか理解できた。毎週末それを実現するよう努力してきて、ここ数戦はすごくスムーズにいっている」
「チャンスは間違いなくある。残りの週末も今日のように完璧に戦う必要がある」
「チャンピオンを狙うなら、すべてを完璧にこなさないといけない。細部へのこだわりが勝敗を分けるだろう」
レッドブルのヘルムート・マルコ博士も、この復調に満面の笑みを見せた。
「チームの雰囲気は今、最高だ。もうマクラーレンに以前のような余裕はない。ピアストリも今日は少し苦しんでいたようだね。ぜひこのまま続いてほしい」
マルコは夏の時点で一時的に希望を失っていたことを認めた。
「夏の間に、ほとんど諦めかけていた。それは間違いだったね。これからマクラーレンに有利なサーキットはない。今はほぼ互角だと思う。最終的にはマックスが違いを生み出すだろう」
元F1ドライバーのティモ・グロックはSkyドイツでコメントしている。
「今のフェルスタッペンは限界を攻めることを楽しんでいる。一方でピアストリは落ち着きを失っている。2009年のジェンソン・バトンを思い出すね。プレッシャーが彼を縛り、自由に走れなくなっている。シーズン序盤に見せた伸びやかな走りがもうない」
次戦F1はメキシコへと向かう。現地では雨の予報が出ており、マルコは笑顔でこう語った。
「それはフェルスタッペン・タイムの始まりだ」
さらにマルコは、レッドブルがまだ秘密兵器を残していることも明かした。
「まだ用意しているものがある。正確にいつ投入できるかは分からないが、確実に強化できる要素がある」
一方のマクラーレンは、アップデートを今後のレースに投入しない方針を示した。2025年型マシンの開発はすでに凍結段階に入り、残り戦いは現行パッケージの最適化と運用で勝ち切る戦略だという。