
ジョージ・ラッセルは、スペイングランプリ終盤の接触について、マックス・フェルスタッペンの行動が「非常に意図的だった」と非難し、その怒りを隠さなかった。
このアクシデントは、レース終盤のセーフティカー明けに発生した。再スタート直後、フェルスタッペンは最終コーナーで滑り、フェラーリのシャルル・ルクレールにポジションを奪われた。その後、隙を突こうとしたラッセルのメルセデスと接触。フェルスタッペンはワイドに膨らみ、ターン5でラッセルに向かって真っすぐに突っ込んでいった。
この動きに対し、ヴェルスタッペンには10秒のタイムペナルティと、ライセンスに3点のペナルティポイントが科された。順位も10位まで落とす結果となった。メディアに対し、ラッセルはこう語った。
「正直言って、何を考えていたのか分からなかった。たぶん、みんなと同じくらい僕にとっても意外だったと思う。最終的に僕は4位、彼は10位だった。完全に不必要な動きだったよ」
この行為が故意だったと感じたかという質問に対して、ラッセルは断言した。
「本当に意図的だったと感じたよ。iRacingやシムレースでは何度も見たことがあるけど、F1で見たのは初めてだった。新しい体験だったね。残念だった。だってマックスは世界でもトップクラスのドライバーだろ?それなのに、こんな動きは完全に余計で、彼自身を貶めてる。F1を目指す若い子たちにとっても残念な出来事だ。彼が何を考えていたのか本当に分からない。でも、僕はこの件で眠れなくなるようなことはない。最終的には僕の方が得したからね」
2016年の世界王者ニコ・ロズベルグをはじめとする評論家たちは、さらに厳しい処分を求めた。ロズベルグは「本当に故意なら、失格にすべきだ」と主張した。
この意見について問われたラッセルは、冷静に答えた。
「正直、映像を見直す必要があるけど、もし本当に故意なら、もちろんそうすべきだ。だって、他のドライバーにわざとぶつかるなんてありえないだろ?僕らは命をかけて走っている。マシンが今これだけ安全なのは幸運なことだけど、それに甘えてはいけない。故意かどうかを判断するのはスチュワードの役目だ」
2024年シーズン終盤、ラッセルとフェルスタッペンの間には確執があった。予選でヴェルスタッペンがラッセルに進路を妨害されたと感じたことがきっかけだったが、結局フェルスタッペン自身がスローダウンラップでの妨害によりペナルティを受けた。
その後、フェルスタッペンはメディアに対し「ラッセルへの尊敬を失った」と発言し、ラッセルも「マックスは威圧的だ」と批判した。
今回のスペイングランプリの接触に、その因縁が関係していたのかという問いに、ラッセルはこう答えた。
「すごく奇妙で、信じられないような出来事だった。正直、彼の頭の中で何が起きていたのか本当に分からない」
フェルスタッペンはレース終盤、ルクレールがソフトタイヤでペースを落としていたことで表彰台に戻れる可能性があったが、自らの行動でそのチャンスを逃した。
「あの時、まだ5周残ってた。確かにマックスはハードタイヤでフラストレーションが溜まっていたと思う。でも、ルクレールは明らかにタイヤを使いすぎていて、チャンスは残ってたんだ。あの動きは、誰よりも彼自身を傷つけた」
F1キャリアの中で、こうした行為を目にしたことがあるかという質問にはこう答えた。
「F1では見たことがないね。フォーミュラEではあるかな。ああ、イギリス人ドライバーで一人、フォーミュラEにいたけどね」
一方、マックス・フェルスタッペンは今回の一件について尋ねられると、皮肉混じりにこう返した。
「今度またやりあうときは、ティッシュでも持っていくさ」