
メルセデスの2026年ドライバー体制の正式発表が、ジョージ・ラッセルの契約交渉の長期化により遅れていると報じられている。
トト・ヴォルフがマックス・フェルスタッペンの獲得に失敗した後も、10代の愛弟子アンドレア・キミ・アントネッリとラッセルの継続起用はほぼ確実と見られているが、アナウンスはまだない。アントネッリのルーキーシーズンには波があるものの、遅延の主因はラッセル側の条件面だという見方が強い。
2016年王者のニコ・ロズベルグはSkyに対し、争点は年俸、契約年数、そしてスポンサー対応義務だと指摘した。
「トトと交渉するのは最悪だ。条件を良くしようとすると、彼はふと姿を消す。僕はそれでずいぶん苦労した。」
ロズベルグは、ラッセルが提示条件の一部に不満を抱いているのだろうと推測する。
「ジョージはメルセデスのジュニア出身だが、例えばランド・ノリスよりずっと少ない。だがジョージは自分がチャンピオン争いをしているランドと同等だと考えている。適切なクルマさえあればタイトルだって獲れると僕も思う。だからこそ、給与がそれに見合っていないと感じているはずだ。」
当のラッセルも、メディア対応やスポンサー業務が大きな障害になっていると示唆する。
「チームは、スポンサーに割く時間が一定なら一定の金額を得られると分かっている。だが、そのイベントが僕を1000分の1、あるいは10分の1でも遅くするかどうかは誰にも予測できない。」
「木曜の朝にスポンサーイベントがあり、金曜の夜にも、土曜の夜にもある。週末はずっとインタビューが続き、日曜にはパートナーのアクティビティだ。話すことが僕を速くはしない。エネルギーを奪うだけだ。」
「僕は休めず、トレーニングもできず、シミュレーターにも入れない。本来なら速くなるために使える時間が削られている。」
ロズベルグもこの点に同調し、メルセデスは他チームよりドライバーに多くの時間を求めると語る。
「スポンサーがとにかく多く、巨額を払っている。マシンに貼れるロゴの大きさには限りがあるから、残る交渉材料はドライバーの時間だ。」
「スポンサーは顧客にジョージ・ラッセルと会わせたがる。年間365日のうち最大60日、それが半日扱いのときもあるから体感では80日に達することもある。」
「ルイス(ハミルトン)がフェラーリへ移った理由の一つもそこだ。フェラーリはメディアデーでドライバーを酷使しない。ブランドが確立しているから、スポンサーにドライバーの時間を差し出す必要がない。セバスチャン・ベッテルのときは年10日と聞いた。」