
メルセデスのテクニカル・ディレクターであるジェームズ・アリソンは、ドイツAuto Motor und Sport誌の取材に次のようにコメントした。
「我々は、オーストリアやイギリスで経験したような不調の週末と、自力で勝てる週末の間を行き来している状況だ。これは、タイヤの温度をいかにコントロールできるかという点が、今年のチャンピオンシップを左右することを理解するのに、特別な専門家である必要はない。そして、残念ながら我々はそこが全くできていない。」
アリソンは、現在のグラウンドエフェクトカーとタイヤの予熱制限が、タイヤの挙動をモデリングする上での困難をさらに増していると説明する。
「今の時代が過去よりもずっと難しくなっているのは、いくつかの要素が重なっているからだ。一つは、タイヤを事前に温めることがほとんど許されていない点だ。さらに、グラウンドエフェクトカーは高速コーナーでタイヤに大きな負荷をかける。これが合わさることで、以前よりもタイヤにかかる熱的ストレスは格段に増している。」
さらにアリソンは、限られたテスト機会と不完全なタイヤデータの中で、チームが「手探り状態」で戦っている現実を警告する。
「今のレギュレーションでは、タイヤの理解を深めることが難しい。テストはほとんど許されておらず、タイヤの特性を実際に掴むにはグランプリ週末で試すしかない。だがレース週末にはやるべきことが他にもたくさんある。」
「そして、そこがまさにマクラーレンの最大のアドバンテージだ。」