サンパウロGPを前に、メルセデスのトト・ウォルフ代表が「ブラジルで巻き返すことができる」と自信を示した。直近の2戦、オースティンとメキシコでは思うように得点を伸ばせなかったが、コンストラクターズ選手権2位争いは依然として混戦。メルセデスは現在3位で、2位のフェラーリとは1ポイント差、4位のレッドブルには9ポイント先行している。残り4戦のうち最初の決戦となるインテルラゴスで、戦況を再び自分たちの流れに戻す考えだ。
チームはここ数戦の課題を明確化している。路面と気温の変化に対するセットアップの許容幅、タイヤの熱入れと劣化管理、そしてピットワークと戦略判断の精度だ。オースティンではラッセルが6位、アントネッリが13位。メキシコではアントネッリ6位、ラッセル7位と、いずれも決定打を欠いた。だがウォルフ代表は、アップダウンの大きいインテルラゴスでこそマシン特性を生かせると見る。「この4戦の一つひとつが極めて重要。失ったアドバンテージはブラジルで取り戻せる」と語り、2位奪還の鍵を“総合力での上積み”と位置づけた。
今週末は天候の不安定さや路面の変化が例年通りの波乱要素となる見込みだが、メルセデスはロングラン重視の準備とオペレーションの最適化で、着実にポイントを積み重ねる構え。ラッセルとアントネッリのダブル入賞を最低条件に、ライバルの取りこぼしを突いて2位争いの主導権を握れるか。勝負のブラジルで、王者経験を持つチームの底力が問われる。

