
バクーで今季最高位の6位を獲得した角田裕毅が、2026年のレッドブルのドライバー決定に新たな悩みを持ち込んだ。チーム代表ローラン・メキースは「決断を急ぐ必要はない」と強調している。
数日前までは、イザック・ハジャルが連続入賞、さらにザントフォールトで表彰台を獲得したことで角田の残留の望みは消えたかに見えていた。しかしアゼルバイジャンGPでの走りで、角田は再び候補として存在感を示した。
日本人ドライバーの角田はRB21への適応に苦しみ、ここまで14戦でわずか9ポイントしか獲得できていなかった。だがバクーでは「やっと分かってきた」と語り、金曜ロングランで好調なペースを見せた。日曜の決勝51周ではランド・ノリスの猛追を抑え、レッドブル加入後最高の6位フィニッシュを果たした。
メキース代表もこの走りを称賛した。
「今年の彼にとってベストレースだと思う。予選も強かったし、決勝も非常に力強かった」
「数字を見れば分かるが、彼は時にマックスから10分の2〜4秒程度の遅れで走っていた。マックスは他の誰よりも速いペースで前に行っていたから、その差で走れたのは本当に価値がある」
「我々は、マクラーレンやフェラーリに対して必死に防戦しなければならないと考えていたが、実際にはそうではなかった。彼は純粋な速さでその位置にいて、ランドも後ろにつけながらほとんど仕掛けられなかった」
「結果だけでなく、レースペースでもベストだった。前回から話していた“クリーンサンプル”を得られたのは大きい。彼はしっかり聞いて実行した。それは良いことだ」
角田が何をきっかけにペースを掴んだのか、詳細については語らなかったが、シミュレーターでの努力が成果につながったとメキースは示唆した。
「細かいことは話せないが、ミルトンキーンズで全員が懸命に取り組み、数字ほど結果が出なかった原因を突き止めようとしていた。そこにはシミュレーターでのマックスやユウキの入力も含まれている。彼らは最高のセンサーであり、その貢献がパフォーマンスの向上につながった」
このバクーでの快走は、来季フェルスタッペンの相棒を巡る議論をさらに難しくしている。先週まではハジャルが昇格すると見られていたが、メキースは「まだ時間がある」と語る。
この日、レッドブル陣営の4人全員が入賞。フェルスタッペンが優勝、レーシングブルズのリアム・ローソンがキャリア最高の5位、角田が6位、ハジャーが10位に入った。
「良いニュースだ。我々が望んでいた通り、ドライバーたちが結果を出した。ユウキも力を示し、それに値する」
「だからこそ我々は落ち着いていられる。時間はある。なぜ急ぐ必要がある? スピードは消えないし、ドライバーは成長する。これは自信がすべての世界だ」
「ユウキは週末を通じて自信を持って戦い、とても強い走りを見せた。我々はアブダビまでは待たないが、まだ数戦ある」