レッドブルは夏休み明け以降、車両パフォーマンスで「予想以上のブレークスルー」を達成した――ローラン・メキース代表はそう強調した。就任から数戦で流れを変えつつある同チームは、開発投資の焦点と作業プロセスの見直しが結実し、「誰もここまでの伸びは想定していなかった」と語った。

技術面では、車高管理と空力プラットフォームの安定化が鍵との見立てもある。縁石の扱い方や路面の変化に対する許容度が増し、セットアップの当たり幅が広がったことで、週末全体の再現性が向上したという分析だ。結果として、コースごとの相性に左右されにくくなり、アップデート効果を走行条件の違いに関わらず発揮できている。

こうした改善を受けて、メキースは残りラウンドで「大半のサーキットで勝利争いが可能」との自信をのぞかせる。実際、直近の数戦でセットアップの方向性が定まり、戦略面の判断も安定。ドライバーのフィードバックが車両開発に素早く反映される好循環が生まれつつあると述べた。

アメリカGP週末ではグリッド上の手続き違反により罰金を科される場面もあったが、コース上の競争力は明確に上向いている。メキースは「一時的な噛み合わせ」で終わらせないために、相関性の維持とオペレーションの精度向上を引き続き最優先に据える構えだ。