レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンのチームメイトたちは、オランダ人ドライバーを打ち負かすことに集中するのではなく、自身のパフォーマンス最大化に専念すべきだと考えている。

4度のワールドチャンピオンに輝いたフェルスタッペンは、F1において”チームメイトキラー”としての地位を確立しており、これまで多くのドライバーが彼の実力に太刀打ちできず、最終的にレッドブルから放出されてきた。

今シーズンも例外ではなく、リアム・ローソンは2戦のみの出場にとどまり、結果を残せなかったことでレッドブルのシートを失った。その後任として起用された角田裕毅も、RB21のマシンで苦戦を強いられている。

若手ドライバープログラムを統括するマルコは、セカンドドライバーに起用されるどのドライバーに対しても、共通して伝えたいアドバイスがあるという。

「マックスの隣に座る者は、彼を倒そうとするのをやめなければならない。彼らは、自分自身とチームの力を最大限に引き出すべきだ。今のところ、マックスに勝つことは不可能だ」

角田は2025年末まで契約を結んでいるが、その先の去就には疑問符がついている。特に、彼の後ろ盾であるホンダが新レギュレーション導入に合わせてレッドブルと袂を分かち、ライバルチームのアストンマーティンと提携することが決まっている点が影響している。

マルコは、レッドブルはあらゆる選択肢を視野に入れており、角田の今後はシーズン後半のパフォーマンスにかかっていると語った。

「我々のドライバー評価は、例年通りサマーブレイク明けに行う。現時点では何も決まっていない。ポジティブな面もネガティブな面も含めて、パフォーマンスを見極めている」

マルコは、レッドブルがエンジンパートナーであり、角田の支援者でもあるホンダと、今後について話し合う予定だと明かした。

「通常は夏休みに入るまではドライバーについて話し合わない。ユウキはホンダの愛弟子だ。来週、彼らと話をして、どの方向に進むかを決める」

しかし、ホンダがどこまで関与するかは不透明だ。ホンダは2024年のシーズン後に、角田にレッドブルでのテストの機会を提供したが、今年初めにはホンダ・レーシング・コーポレーションの渡辺康治社長が「今後は角田自身が行動すべき」と発言している。

「彼(角田)は自分で動く必要がある。僕は彼にとって最善の選択をしてほしいと願っている。彼は今、F1キャリア5年目を迎え、十分な能力を持ち、F1の世界をよく理解している。
「ホンダとしてこれ以上できることはあまりない。彼自身のマネージャーを含めたサポート体制を固めて、必要なシートを勝ち取らなければならない。彼はもうプロフェッショナルなのだから。」