
マクラーレン・レーシングの持株構成が再編された。バーレーンの政府系基金ムムタラカト(Mumtalakat)とアブダビの投資会社CYVNホールディングスが、MSPスポーツキャピタルなど残る少数株主の持分を取得し、同チームの完全保有体制に移行した。
評価額は40億ドル(約5,952億9,000万円)超とされ、21〜22年の再建局面から順調な企業価値上昇を映す取引となっている。ムムタラカトが引き続き支配株主で、CYVNは非支配の立場で参画する構図だと報じられている。取引に伴いMSP系の取締役は退任し、ガバナンスの簡素化と機動的な投資判断が期待される。
パンデミック期に外部資本を受け入れた同社は、その後F1で競争力を取り戻し、商業面でも成長を遂げてきた。資本の一本化は、タイトルスポンサー契約や設備投資、サプライヤー交渉を加速させる呼び水となる可能性が高い。